「直接排出量」も「間接排出量(電気・熱配分後)」も、化石燃料の燃焼によるCO2排出量を、エネルギー転換部門、産業部門、民生部門、運輸部門といった部門ごと(あるいはさらにその細分類ごと)に示すものです。両者の違いは、発電や熱の生産のための化石燃料の燃焼による排出量をどの部門に配分するか、という点にあります。
直接排出量は、発電や熱の生産に伴う排出量を、その電力や熱の生産者からの排出として計算したものです。電力会社の発電に伴う排出量はエネルギー転換部門の「事業用電力」に、熱供給事業者の熱生産による排出量はエネルギー転換部門の「地域熱供給」に、また、製造業の会社などによる自家用発電に伴う排出量はその会社が属する産業(産業部門の「鉄鋼」など)において計上されています。
一方、間接排出量(電気・熱配分後)は、発電や熱の生産に伴う排出量を、その電力や熱の消費者からの排出として計算したものです。それらの排出量は、電力及び熱消費量に応じて最終需要部門(電力や熱の使用者)に配分されます。例えば、家庭で電気を使用した場合、それに伴う排出量は家庭部門の直接排出量には含まれませんが、間接排出量(電気・熱配分後)には含まれることになります。
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