安倍首相:中間貯蔵施設の予定地視察 福島・双葉
毎日新聞 2015年03月01日 21時15分(最終更新 03月01日 21時34分)
安倍晋三首相は1日、東日本大震災で被災した福島県双葉町を訪れ、東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設の建設予定地を視察した。汚染土の搬入は今月13日から始まる予定で、首相は「中間貯蔵施設の受け入れは苦渋の判断だったと思うが、地元のご協力を頂いた。除染を加速させ、復興を確かなものとしていきたい」と述べた。
視察は双葉町役場の屋上から行われ、首相は伊沢史朗町長の説明を受けながら、眼下に広がる建設予定地を確認した。伊沢町長が「復興のために非常に迷惑な施設だが重い判断をした。復興のために継続的な支援をお願いしたい」と要請すると、首相は「復興のステップが確実に進むよう全力を尽くす」と応じた。
中間貯蔵施設の建設予定地は双葉、大熊両町にまたがる16平方キロで、汚染土などを最長30年間保管する。首相は視察後、同県南相馬市内で記者団に「遅れていた福島の復興も新たなステージに入りつつあると実感した」と語った。
首相はこの日、同県立小高工業高校の卒業式に飛び入りで参加した。仮設校舎で3年間を過ごした卒業生に「福島の明日を開くのは皆さんだ。困難に直面したときは、大変な状況だったこの3年間を思い起こしていただきたい」とあいさつし、門出を祝った。【松本晃】