名人戦:挑戦は行方、渡辺、久保、広瀬のプレーオフ

毎日新聞 2015年03月02日 11時16分(最終更新 03月02日 12時17分)

 ◇B級1組への陥落は三浦弘行九段と阿久津主税八段に

 羽生善治名人(44)への挑戦者を決める第73期名人戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)のA級順位戦は1日から2日未明にかけて、東京・将棋会館で最終局5局が指されて全局が終局した。この結果、挑戦権のゆくえは、行方(なめかた)尚史八段(41)、渡辺明王将(30)、久保利明九段(39)、広瀬章人八段(28)の4者によるプレーオフに持ち込まれることになった。4者で争うのは、谷川浩司九段、南芳一(よしかず)九段、高橋道雄九段、大山康晴十五世名人による第50期以来23年ぶり。現行制度の順位戦では3回目。プレーオフは順位下位の久保と広瀬が5日に対戦し、勝者が10日に渡辺と対局。その勝者が行方と16日に戦う。4人とも初挑戦がかかる。

 5局の流れを振り返ると、まず午後9時台に渡辺が久保を降して3敗で並び、午前0時半過ぎに行方が森内に敗れてプレーオフになることが決定。広瀬が午前1時25分に勝って4者プレーオフが固まった。

 残留争いも激しく、A級14期連続在籍の三浦弘行九段(41)が、既に降級が決まっていた阿久津主税八段(32)とともにB級1組へ陥落した。三浦は第68期に挑戦者になった強豪。A級初挑戦だった阿久津は白星に恵まれず、第40期以来の全敗降級となった。B級1組からは佐藤天彦八段(27)と屋敷伸之九段(43)が昇級する。

 挑戦・残留いずれの争いにも関係しなかった佐藤康光九段(45)と深浦康市九段(43)の対局は233手の大熱戦になり、午前2時9分に深浦が勝ち、プレーオフを除く今期のA級順位戦は幕を閉じた。【山村英樹】

 ◇名人戦A級順位戦(1日)(左が勝ち)

渡辺王将(6勝3敗) 69手 久保九段(6勝3敗)

森内九段(4勝5敗) 95手 行方八段(6勝3敗)

郷田九段(5勝4敗)130手 阿久津八段(9敗)

広瀬八段(6勝3敗)157手 三浦九段(3勝6敗)

深浦九段(5勝4敗)233手 佐藤九段(4勝5敗)

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