社会的な弱者として扱われる子供と高齢者が、「やられたら、やりかえす！」とはじけ飛ぶドラマを作りたい…そう思ってオリジナル企画を書き始めてから4年目の昨夏、NHKで企画採択していただいてからも、「そもそもこんな話、出来ないんじゃないか」という否定的な意見や心配が溢れかえり、もうやめようと挫折しかけたこともありました。
ですが、その度にアックスオンの仲間や撮影スタッフが知恵を絞ってあれやこれやの工夫で乗り越え、年をまたいで撮影を済ませて、今は仕上げの最中です。

主演の芦田愛菜さんは、10歳の少女そのままの魅力を現場に持ち込み、周りを囲んだ岩城滉一さんや、前田 吟さん、小野武彦さん、黒沢年雄さん、いしだあゆみさんらベテラン俳優女優の心を鷲掴みにしてました。
朝、ベテランたちは現場入りするや否や「今日は愛菜ちゃんはいないの？」とお出迎えするプロデューサーたちに尋ねかけ、「よし！」だったり「なーんだ、いないのか…」だったり…彼女がいる現場といない現場でのテンションのあからさまな違いがカメラの前にもそのまま現れて、撮影スタッフは苦笑だらけでした。 そんな10歳の少女が、笑って話しかけてからそのまま涙に溢れて号泣するまでの2分50秒、ワンカットで一発オッケーの演技を堂々と披露するのですから、やっぱりこのドラマ必見です。

そして…ケネディ元大統領が暗殺された時に乗っていた大統領専用車「リンカーン・コンチネンタル・コンバーチブル SS100－X」を再現する…それがドラマ後半の重要なエピソード。
この車をドラマの中に存在させるために日本中の中古外車情報を網羅し、最後は浜松まで中古外車を買い求めに出かけ、実際の自動車工場と日活の第3スタジオでその車の解体・改造を敢行…撮影に関わった誰もが「このドラマ、もしかしたら終わらないんじゃないか…」と怯えていました。
さて、その結果がどうなったのかは、是非放送で確認していただければと思います。

元刑事が、刑務所から出所してくるシーンから撮影が始まり、10歳の少女が復讐相手に思わず自分の正体をバラしてしまうシーンでクランクアップを迎えた、
ドラマ「ラギッド！」…物語は、始まりとは全く違った展開をみせていきます。

いしだあゆみが大声で叫び走り出し、岩城滉一がバカにされ、黒沢年雄が思わず踊り出す…不思議な場面が満載のこの物語を（いろいろな不備には目をつぶっていただいて）出来るだけたくさんの方々に楽しんでほしいと願いながら、米米ＣＬＵＢの金子さんに何ともオシャレな劇伴音楽を作っていただきました。

NHK BSプレミアムで、「ザ・プレミアム」枠初の大型ドラマ、それがアックスオン発信のオリジナルドラマになったことを嬉しく思いながら、どんな風に視聴者に届くのか…心配でもあります。

ドラマ「ラギッド！」は
2月21日（土）と28日（土）、夜7時半から各90分、
NHK BS「ザ・プレミアム」枠で前後編2週連続放送！
そして、
9月には、さらにエピソードを増やして50分連続4回の日曜プレミアムドラマとして追加放送される予定です。