マリナーズ時代の05~09年にチームメートで、今年からまた一緒にプレーすることになったマイク・モースなど、やはり若い頃、イチローに学んだ1人だ。
「俺がメジャーに上がったのは05年。そのとき、右斜めのロッカーにイチローがいたんだ。どうして仲が良くなったかって? いや、最初は話すことができなかったよ。彼はすでにスーパースター。俺は昇格したばかり。でも、きっかけは忘れてしまったけど、何かを聞いたら親切に教えてくれたんだ。それからは何か分からないことがあると、彼に聞くようになった。彼に分からないことはなかった」
同時にモースは、イチローのルーティンなど試合への準備の仕方を観察するようになったという。「何をするにも彼は百パーセントなんだ。トレーニングルームでも、室内ケージでも。全く妥協がない。あれには刺激を受けた。その後、僕はナショナルズにトレードされてしまったけど、彼のそんな姿勢から学んだことは少なくなかった」
彼には過去にそんな経験があるからこそ、同じようにマーリンズの若い選手にはイチローから学んでほしいと願う。「若い連中はイチローから学ぶことは無数にあるはずだ。選手としてもまだまだ通用するが、チームとしてはそんなことも意図して獲得したのだと思う」
■イチローからのバットケースが宝物に
そのモースには忘れられないことがある。「はっきりいつだったかは忘れてしまったが、イチローが『すべての打者は、バットケースを持つべきだ』という話をしたことがあるんだ」
みんなバットケースは持っているはずだけど?
「いや、大リーガーのバットケースといえば、キャンバス地のものがほとんどだろ? でもイチローにいわせれば、『バットが擦れ合って傷がつくし、湿気もついてしまう』とのことだった。それを防ぐためには、イチローが持っているような小型トランクのようなバットケースが必要で、どうしてみんな持っていないのか不思議そうだった」
それで、あのケースを作ったの? マーリンズがキャンプで使用しているクラブハウスの中央に、モースのバットケースが置いてある。イチローのケースとほぼ同じものだ。
「なんだ6月中旬並みの暑さじゃないか」
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