以下の記事を読みました。確かにベンチャー企業の社長ともなれば夢を見て24時間働くのかと思うのですが,以下の記事の指摘通りそれに社員まで付き合う必要はありませんよね。
いや、ベンチャー企業の経営者の方がベンチャー精神に満ちあふれて1日24時間、1年365日働こうが何しようが、誰からも指揮命令を受けているわけではないので、言葉の正確な意味での自己責任です。
しかし、そのベンチャー経営者との間に日本国民法第623条に基づき雇用契約を締結して、労務を提供して報酬を得る約束をしただけの、一介の労働者に対して、「ベンチャー企業というのは夢を見て24時間働くというのが基本」という倫理を要求するのが、契約関係に基づいて取引することを大原則とする我らが市場経済社会において正当なことであると心の底から考えておられるとするなら、それは残念ながら他のいかなる先進諸国においても共感を得られないでしょう。
ベンチャー企業というのは夢を見て24時間働くというのが基本@三木谷浩史楽天会長: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
まあベンチャー企業を好き好んで就職したのか,それともそこしか就職先がなくて就職したのかと言う意識の差もあって,社員であっても仕事に24時間従事するような人もいるかと思うのですが,それを他人に押し付けてはいけないでしょうね。
ベンチャーではないけれど,ブラック体質の強い会社と言うのは「お前これ仕事だろ」という押し付けよりも,定時になっても帰れない雰囲気を作る技術に長けていまして,決して「もう帰るの?」とは言わないんですよね。誰も帰らないから自分も帰らない。上司が帰らないから部下は帰れないという感じです。これ,上司が率先して帰るようになると一気にみんな帰るようになります。これ,本当で実際に体験したことがあります。その上司は「あれ,みんなまだ帰らないの?」が口癖でした。
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だからこの24時間働くなんていうのは職場の雰囲気によってガラッと変わるのだろうし,おそらく楽天は「24時間働こうぜ」みたいな雰囲気があるのかもしれませんが,実際に働く方はそれは辛いんですよね。これ,辛いなあと思って今まで正社員にはならずに来たのですが,自営業も24時間働いているみたいなもので,「ああこれベンチャーと同じだな」と笑ってしまったのです。
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それで以下のような記事を読んで,「みんな同じ」とさらに笑顔になってしまったのです。
オンとオフの区切りが難しい
仕事と生活が直結していますので、仕事が目の前にあればやる・・・そんな感じです。休みの日でも「さあ出かけるぞ」って話をしてるのに、いきなり仕事の連絡が来たり・・・なんてこともあります。
時間は多少は融通は利きますが、365日働いてる感じです。完全にオフ日はないかもしれません。
夫が脱サラして1年半。良かったこと、困ったこと、妻の心得など書いてみます。 | FLAT 23
三木谷さんも自営だという感覚で,私達自営業みたいな感覚何でしょうけど,あれだけの企業の社長が末端の自営業者と同じことを言ってしまうというのは何とも軽率ではあると思うんですよね。確かに自営業は夢があるかないかは別として,24時間働く感覚ではあるのですが,それを他人にもお勧めできるかと言うとできないんですよね。もちろん自営やフリーの良さというものがあるのは事実なのですが,働かないとお金にならないので,給与取得者の「有給」というものに対する羨望のまなざしは常に持っているわけです。
かといって正社員になれないので,今のやり方を続けていくしかありませんし,ほとんど毎日働いてはいるのですが,気持ちとしては余裕がある部分もあるんでしょね。それにありがたいことに仕事はたくさんあって,生きていくことができないというこもありませんし。
そういえば知人が次のようなことを言っていました。
「自宅で自営業っていいよね。疲れたらすぐに家で倒れることができるじゃん」
そうです,自営業は倒れても自宅です。素晴らしいでしょ…。
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