フジテレビ系で木曜深夜0時50分に放送されるアニメ枠「ノイタミナ」が4月、10周年を迎える。作画や音楽など高いクオリティーに加え、挑戦的な作品作りが評判を呼び、多くの視聴者に「深夜アニメ」の魅力を伝えてきた。フジの松崎容子アニメ開発部長は「アニメファンだけではなく、一般の視聴者が見ても面白いと思ってもらえるアニメ枠をつくることができた」と話している。(本間英士)
ノイタミナは、アニメーション(Animation)を逆さにローマ字読みした造語。「アニメの常識をひっくり返す」との意味を込め、平成17年4月にスタートした。
松崎部長によると、当時の制作陣は「何か新しいことをやらないと、アニメはいわゆる『オタク』向けの作品と、ジブリの2分野に留まってしまう」という危機感を持っていたといい、「アニメという表現方法で新しい挑戦ができ、かつ『月9(げつく)』(月曜夜9時のフジの人気ドラマ枠)のような定着した放送枠をつくりたかった」と振り返る。
最初の作品は、人気少女漫画を原作にした「ハチミツとクローバー」。その後も、「Paradise Kiss」や「のだめカンタービレ」など、一般の視聴者層にも好まれる漫画をアニメ化した。アニメーション研究家の氷川竜介さんは「それまで、あまり深夜アニメを見ていなかった若い女性も楽しめ、話題にできるアニメを放送してきた。新たな視聴者層を開拓したことに加え、放送枠により、定期的な『視聴習慣』をつくった意義は大きい」と指摘する。
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