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 羽生善治名人(44)=王位・王座・棋聖をあわせ四冠=への挑戦権を争う第73期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の最終9回戦が1日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で5局一斉に指され、行方尚史八段(41)、渡辺明二冠(30)、久保利明九段(39)、広瀬章人八段(28)が6勝3敗で並び、挑戦権のゆくえは4人によるプレーオフに持ち越された。

 A級順位戦はトップ棋士10人による総当たりのリーグ戦。この日の最終戦で、首位の行方八段が前名人の森内俊之九段(44)に、同じく首位の久保九段が星一つの差で追っていた渡辺二冠にそれぞれ敗れた。渡辺二冠と同じく3敗の広瀬八段は三浦弘行九段(41)に勝ち、4人が同星で並んだ。

 プレーオフは、広瀬八段と久保九段が5日に対戦。その勝者が10日に渡辺二冠と戦い、さらにその勝者が16日に行方八段と戦う。4人とも初めての名人挑戦がかかる。プレーオフにもつれ込むのは第64期以来9年ぶり。

 一方、連続14期A級に在籍し、第68期で名人に挑戦した三浦九段のB級1組への降級が決まった。

 A級順位戦は、優勝者が名人挑戦者になり、成績下位2人がB級1組に降級する。今期は7回戦までに阿久津主税八段(32)の降級が決まっていた。(深松真司)