「深くおわびします」。パワーハラスメントを大阪府教育委員会の第三者委員会に指摘された中原徹教育長(44)は20日、記者会見で謝罪の言葉を繰り返した。だが他人を苦しめ、悩ませる言動の数々が露呈。教育行政トップの資質を問う声も上がる。

 「自分のコミュニケーションの未熟さがあり、(職員と)論戦をしてしまう」。中原氏は不適切な言動の理由をこう釈明した。また教育施策を進めるにあたり、「『抵抗勢力』と戦わなければいけないような気負いや焦りがあった」とも振り返った。

 第三者委は、意に沿わない職員に異動や解職をほのめかしたことに対し、「人格の高潔性の観点からも疑義がある」と厳しく批判した。こうした指摘に、中原氏は「初めから論破して説得する形ではなく、相手の言おうとすることに配慮し、反省して学ばなければならない」と語り、約30分間の会見中は立ったままだった。

 昨年10月に問題発言を公表された時はいったん辞任を検討した中原氏だが、今回は「知事の意向に従いたい」としつつ、「チャンスを頂けるならば続けたい気持ちはある」と語り、一貫して辞任を否定した。

 調査の過程で中原氏は、問題発言の内容に反論もしたが、会見では「私の認識は変わらないが、結果をそのまま真摯(しんし)に受け止め、反省したい」とした。