性的少数者:思い思いの服装で「成人式」 名古屋
毎日新聞 2015年03月01日 21時09分(最終更新 03月02日 07時08分)
性的少数者(LGBT)の人たちが気軽に参加できる「成人式」が1日、名古屋市昭和区の南山高校であった。同性愛や性同一性障害の人ら約160人がスーツや振り袖、学生服など思い思いの服装で参加した。
LGBTの人の中には、親の意向などから成人式に自分の望まない服装で出席せざるを得なかったり、同級生らとの再会にちゅうちょして欠席したりする人も少なくないという。実行委員長の児島さと子さん(26)は、同市内にある勤務先の産婦人科クリニックでそうした人たちの相談に乗る中で「成人式は一生に一度。自分のために、自分らしく参加してほしい」と式を企画。LGBT以外の人にも理解を深めてもらおうと、性別や年齢などの条件を一切問わない形とした。
新成人を代表してスーツ姿で登壇した愛知県美浜町の大学2年生、恒川裕紀(ゆうき)さん(20)は、女の子として育ったが男性として生きたくて葛藤した経験に触れ、「自分で自分を愛したいと今では考えています。この先も悩んだりぶつかったりすると思うけれど、自分の感性を信じ、胸を張って生きていきたい」と誓いの言葉を述べた。式後は愛知県在住の漫画家で「性別が、ない!」などの作品がある新井祥(しょう)さんのトークショーなどもあり、来場者は笑顔で交流した。
LGBT成人式は東京や大阪などでも開催されており、名古屋では2012年1月に市内の飲食店で小規模開催されたものに続き2回目。【和田憲二】