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 2年前、日本人留学生の小山田亮さん(当時24)がニューヨークでパトカーにはねられて死亡する事故が起きた。事故で何があったのかを知ろうと、遺族が何度も現地に足を運ぶ中、ニューヨーク市警の説明の矛盾も明らかになっている。

 香川出身の小山田さんは2012年冬にニューヨークにわたり、英語の勉強を始めた。姉の鈴木智子さん(36)は「東日本大震災のボランティアに行った後、自分の力不足を感じたのか仕事をやめ、留学の決断をした」と振り返る。家族にはニューヨークでの生活の充実を伝える連絡も連日あった。しかし、住み始めて3カ月しかたっていなかった13年2月、自宅近くで道路を横断中にパトカーにはねられ、亡くなった。

 事故から2年となった2月21日、現場に約20人が集まり、小山田さんを追悼した。雪が降る中、父親の小山田司さん(62)は「被害者に責任を負わせる市警の姿勢には憤りを感じる」と語気を強めた。

 当初、市警は「パトカーは事件現場に急行中で、サイレンを鳴らして緊急灯をつけていた」と説明していた。ところが、周辺にいた人たちは「サイレンの音は聞こえなかった」と証言。近くの防犯カメラの映像でも、パトカーが緊急灯をつけずに走行していた様子が分かった。