日本学術会議は27日、論文発表した研究データの保存期間を原則10年とする内容を盛り込んだ研究不正対策をまとめた。STAP細胞を巡る研究不正などがあり、文部科学省からの審議依頼を受けて作成した。同省に3月に回答するとともに、大学や公的研究機関に周知を図る。
対策では論文の実験データの保存期間について、実験ノートなど文書や電子データ、画像などは原則、論文発表後10年とした。実験試料や標本などについては5年としている。
論文について不正行為の疑いが出た場合に研究者が定められた期間データを保存しておらず、疑念を晴らす証拠を示せないと、不正と認定される可能性が高まる。
不正防止に向けた研究倫理教育については、大学生や大学院生には入学時、研究者には採用時だけでなく少なくとも5年ごとに研修をすることを求めた。
文科省は昨年8月に研究不正防止のための指針を改定。その中で研究データの一定期間の保存、開示を義務付けたが、具体的な期間などは明記していない。文科省は同7月、日本学術会議に期間など6項目について審議を依頼していた。
日本学術会議、研究データ