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クロマグロ安定供給へ 日本商社が養殖企業買収3月2日 2時13分
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高級食材として人気が高いクロマグロの漁業資源の管理が課題となるなか、日本の水産商社がクロアチアで大西洋クロマグロの養殖を手がける大手企業を買収し、日本への安定供給を目指すことになりました。
日本の水産商社「ジェイトレーディング」は、投資会社「インテグラル」の資金支援を受けて、クロアチアのアドリア海で大西洋クロマグロの養殖を手がける「カリ・ツナ」を40億円余りで買収しました。「カリ・ツナ」は、5000トンの大西洋クロマグロを養殖できる地中海では最大級の養殖施設を持っていて、クロマグロの養殖では世界有数の企業です。
まぐろの中でも最高級とされるクロマグロは、日本での消費量のうち、およそ6割が太平洋産ですが、太平洋クロマグロは資源が大きく減少していて、ことしから漁業規制が強化されています。その一方で、日本での消費量の4割を占める大西洋クロマグロは漁業資源が回復しているとして、ことしから漁獲枠が大幅に拡大されることになっています。
こうしたことから、「ジェイトレーディング」では、今回の買収を通じて大西洋クロマグロの輸出を拡大し、日本への安定供給を目指すとともに需要が拡大しているアメリカやアジアへの販売も拡大したい考えです。ジェイトレーディングの神戸治郎社長は「品質がよいことで知られるクロアチアのアドリア海の大西洋クロマグロのブランドを日本で広めていきたい」と話しています。
まぐろの中でも最高級とされるクロマグロは、日本での消費量のうち、およそ6割が太平洋産ですが、太平洋クロマグロは資源が大きく減少していて、ことしから漁業規制が強化されています。その一方で、日本での消費量の4割を占める大西洋クロマグロは漁業資源が回復しているとして、ことしから漁獲枠が大幅に拡大されることになっています。
こうしたことから、「ジェイトレーディング」では、今回の買収を通じて大西洋クロマグロの輸出を拡大し、日本への安定供給を目指すとともに需要が拡大しているアメリカやアジアへの販売も拡大したい考えです。ジェイトレーディングの神戸治郎社長は「品質がよいことで知られるクロアチアのアドリア海の大西洋クロマグロのブランドを日本で広めていきたい」と話しています。
クロマグロ 資源管理の枠組み
「本マグロ」とも呼ばれ、最高級の刺身やすしネタとして知られる「クロマグロ」。大西洋や地中海などでとれるクロマグロの半分以上は日本に輸出され、日本人にとって欠かせない食材となっています。
まぐろは、主な漁場となっている東太平洋、西太平洋、大西洋など5つの海域で資源管理の枠組みが決められています。このうち、太平洋クロマグロは、重さ30キロ未満の幼魚の乱獲などによって、この20年で漁業資源が3分の1以下まで減少しています。このため、世界の野生生物の専門家などでつくるIUCN=国際自然保護連合が「絶滅する危険性が増大している」として絶滅危惧種に指定しました。こうしたことを受け、日本に近い西太平洋のクロマグロを管理している国際会議では、幼魚の漁獲量を規制し、2002年から3年間の平均に対して半減させることを決めたほか、東太平洋でも、ことしから2年間は全体の漁獲枠を去年に比べて4割減らすことを決めました。
一方、大西洋クロマグロも一時は乱獲などの影響で資源が激減し、5年前、ワシントン条約の締結国会議に大西洋クロマグロの国際的な取り引きを全面的に禁止すべきだという提案も出されました。しかし、大西洋クロマグロの資源管理を行う国際機関が幼魚の乱獲を防ぐため、漁獲する大きさの規制や、マグロが産卵する場所での漁獲制限、それに漁獲枠の大幅削減など厳しい措置を取ったことで資源は急速に回復。その結果、漁獲枠をことしから3年間、毎年、およそ20%ずつ増やすことになりました。
ただ、自然保護団体などからは今後、各国が漁獲量を一気に増やせば、回復傾向にある資源を再び枯渇させかねないという懸念も出ていて、資源の回復と漁獲枠の拡大のバランスをどう取っていくのかが課題となっています。
まぐろは、主な漁場となっている東太平洋、西太平洋、大西洋など5つの海域で資源管理の枠組みが決められています。このうち、太平洋クロマグロは、重さ30キロ未満の幼魚の乱獲などによって、この20年で漁業資源が3分の1以下まで減少しています。このため、世界の野生生物の専門家などでつくるIUCN=国際自然保護連合が「絶滅する危険性が増大している」として絶滅危惧種に指定しました。こうしたことを受け、日本に近い西太平洋のクロマグロを管理している国際会議では、幼魚の漁獲量を規制し、2002年から3年間の平均に対して半減させることを決めたほか、東太平洋でも、ことしから2年間は全体の漁獲枠を去年に比べて4割減らすことを決めました。
一方、大西洋クロマグロも一時は乱獲などの影響で資源が激減し、5年前、ワシントン条約の締結国会議に大西洋クロマグロの国際的な取り引きを全面的に禁止すべきだという提案も出されました。しかし、大西洋クロマグロの資源管理を行う国際機関が幼魚の乱獲を防ぐため、漁獲する大きさの規制や、マグロが産卵する場所での漁獲制限、それに漁獲枠の大幅削減など厳しい措置を取ったことで資源は急速に回復。その結果、漁獲枠をことしから3年間、毎年、およそ20%ずつ増やすことになりました。
ただ、自然保護団体などからは今後、各国が漁獲量を一気に増やせば、回復傾向にある資源を再び枯渇させかねないという懸念も出ていて、資源の回復と漁獲枠の拡大のバランスをどう取っていくのかが課題となっています。