川崎・中1殺害:「暴力告げ口で恨み」逮捕の18歳友人に

毎日新聞 2015年03月01日 07時30分(最終更新 03月01日 12時16分)

少年事件の主な手続き(14歳以上)
少年事件の主な手続き(14歳以上)

 川崎市川崎区の多摩川河川敷で同区の中学1年、上村(うえむら)遼太さん(13)の刺殺体が見つかった事件で、上村さんの知人の少年らが事件発生の約1週間前、殺人容疑で逮捕された3人のうちリーダー格の無職の少年(18)の自宅に押しかけ、トラブルになったことが捜査関係者への取材で分かった。知人らは上村さんがリーダー格の少年から暴行を受けたことの抗議に向かったといい、神奈川県警川崎署捜査本部はこのトラブルへの逆恨みが事件の一因だった可能性があるとみて調べている。

 捜査関係者などによると、抗議に出向いたのは上村さんの友人の兄で、上村さんとは同じ中学出身の少年など数人。1月に上村さんが18歳の少年から激しい暴行を受け、顔にあざができていることを知り、少年宅を訪れて激しく抗議したという。

 この際、18歳の少年は不在で、対応した母親と姉が川崎臨港署に通報。署員が知人の少年らから事情を聴いた。同署によると、上村さんが現場にいなかったため詳しい事情が分からず、上村さんを巡る暴力について把握できなかったという。

 18歳の少年の友人らによると、同少年は「(上村さんは)俺に殴られたことを告げ口した。恨みがある」と話していたという。捜査本部もこうした情報を把握しているとみられる。

 また、捜査本部は28日に18歳の少年宅を家宅捜索し、事件当日に殺害現場付近の防犯カメラに映っていたタイプとよく似た自転車を押収したことが捜査関係者への取材で分かった。自転車を押して歩く少年グループの姿が記録されており、捜査本部は少年が現場に行った裏付けになるとして調べている。捜査関係者によると、上村さんが殺害されたとされる2月20日午前2時前後の防犯カメラ映像に、上村さんを含む4人が通り過ぎ、上村さん以外の3人が戻ってくる様子が映っていた。このうち1人が押している自転車が似ているという。少年は調べに対し「現場には行っていない」と供述している。【松浦吉剛、大場弘行、水戸健一】

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