川崎・中1殺害:18歳、制止に「殺すぞ」 17歳供述
毎日新聞 2015年03月01日 21時31分(最終更新 03月02日 02時34分)
川崎市川崎区の多摩川河川敷で同区の中学1年、上村(うえむら)遼太さん(13)の刺殺体が見つかった事件で、逮捕された職業不詳の少年(17)が神奈川県警川崎署捜査本部の調べに対し、「(リーダー格の18歳の少年が)血を流して倒れている上村さんの近くでナイフを持っているのを見て止めようとしたら、『殺すぞ』とナイフを突きつけられた」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。一方、18歳の少年は「事件当時は自宅にいた」と話していることも判明。しかし、逮捕されたもう1人の無職の少年(17)を含め3人の供述にはいずれも信ぴょう性に乏しい点があることから、捜査本部は事件の構図について慎重に裏付けを進める。
捜査関係者によると、職業不詳の少年は「現場に向かったのは他の2人と上村さんだけ。しばらくして現場に行くと(18歳の少年が)ナイフを持って立っていた。『やめろ』と言うと倒され、『お前も殺すぞ』とナイフを突きつけられた」と脅されたことを供述。その上で「無職少年が仲裁に入り無事だった」などと話している模様だ。
無職少年は「上村さんが血を流して倒れているのを見たが、自分は近くにいただけ」と話し、職業不詳の少年同様、殺害に関与したことについては否定している。しかし2人の話にはつじつまの合わない点があるという。18歳の少年はこれまでの調べに対し、「今は話したくない」と供述していた。
捜査本部によれば、上村さんの遺体の手足には、縛られた痕や抵抗した傷が確認されておらず、複数で押さえつけて暴行した可能性もあるとみられる。また逮捕された3人は、事件数時間前に居酒屋などで飲酒していたことが知人らへの取材で分かった。その際、17歳の少年の1人に、上村さんから無料通信アプリ「LINE(ライン)」を通じて「遊びませんか」などと誘いがあり、18歳の少年が呼び出すよう指示したという。3人はこの後、上村さんを河川敷に連れて行ったとみられる。【大場弘行、水戸健一、大平明日香】