(台北 28日 中央社)戦後台湾の最大の悲劇と言われる1947年2月28日の「二・二八事件」から68年となるきょう、柯文哲台北市長が被害者の親族の代表として記念式典に出席し、嗚咽で何度か言葉を詰まらせながら、「悲劇が再び起きないよう望む」と語った。
柯氏の祖父にあたる柯世元氏は事件後、半月にわたって勾留され、釈放時には全身傷だらけで放心状態に陥っていたという。その後病に伏せ、1954年に肺結核で亡くなっている。
柯氏は祖父が亡くなった当時を振り返り、「二・二八事件」は祖父の命を傷つけ、父の人生を傷つけ、私の心を傷つけた」と述べ、事件は親子三代にわたって苦しみを与えていると指摘した。
同式典に出席した馬英九総統は挨拶の中で、「我々は事件の教訓を永遠に忘れてはならず、歴史が繰り返されるのを許してはならない」と語り、柯氏に対して社会の調和に向けて協力を求めた。
柯氏は式典で挨拶を終えた後、馬総統から握手を求められたが、これには応えなかった。
(黄名璽、黄麗芸/編集:杉野浩司)