<スゴ技Q お手ごろ&うまさ倍増! すき焼き 大変身>
専門家ゲスト:佐藤秀美さん(日本獣医生命科学大学客員教授・栄養士)
ゲスト:假屋崎省吾さん(華道家)、相田翔子さん(俳優)
リポーター:宮下純一さん(タレント・元水泳選手)
<【番組冒頭】ご注意!偽サイト詐欺 >
専門家ゲスト:矢代修一さん(公益社団法人日本通信販売協会 消費者相談室長)
リポーター:山田大樹アナウンサー
年末年始、すき焼きを作ったという方、多いのではないでしょうか。あさイチアンケートには、煮詰まって味が濃くなった、肉が硬くなったなど、せっかくのごちそうを生かし切れなかった残念な思いが数多く寄せられました。
そこで、今回、関東・関西の名店に、とっておきのスゴ技を伝授していただきました。
東京の名店は、具材を煮る割り下の「秘伝の作り方」を大公開!そして、そのおいしい割り下の味を一定に保つスゴ技まで披露してくれました。京都の名店は、最初に肉を焼くときの調味料を加えるタイミングにこだわり、すきやきのコクを増す方法を教えてくれました。さらに、お手ごろな値段の肉の風味とやわらかさをアップさせる技や、あの小津安二郎監督が愛した絶品の「しめ」や、フレンチすき焼きに変身させる方法などもご紹介しました。
あさイチアンケートでいちばん多かった、食べている途中で「煮詰まって味が濃くなる」というお悩みにお答えすべく、明治28年創業のすき焼きの名店を訪ねて、関東風のすき焼きの作り方や、割り下のレシピ、そして割り下の味を一定に保つスゴ技を教えてもらいました。
<東京の名店 関東風すき焼き>
割り下を鍋底の面積の3分の2ほど入れ、まず牛肉を焼くように煮て食べます。肉を味わったら、割り下を足し、味の染み込みにくい具材から加えていき、さらに肉を足して煮ていきます。
食べている途中で、煮詰まってきたなと思ったときには、割り下と「昆布だし」を加えます。
総調理長、野口一男さんによると、昆布だしを使うことで、水っぽくなることなく、割り下に移った牛肉と野菜のうまみをより引き立ててくれるそうです。
ふつふつと煮立ったところに、割り下2に対して昆布だし1の割合で注ぐのが、最後まで割り下の味を一定に保つコツだそうです。
<材料の割合>
・しょうゆ:みりん:砂糖=2:2:1(体積比)
・酒・・・少々
<作り方>
水と昆布を鍋に入れて火にかけ、70度の湯で10分間ほど煮て、昆布を入れたまま冷ます。
<取材協力>
野口一男さん(人形町今半 総調理長)
「人形町今半 本店」
住所:東京都中央区日本橋人形町2-9-12
「すき焼きで牛肉をいっぱい食べたいけど、お財布のひもは締めたい」という人にオススメ!
お手ごろな牛肉をおいしくする方法を、食肉の香気に詳しい、食品メーカー主席研究員の髙野剛さんに教えてもらいました。その方法とは、なんと牛肉を「ココナツミルク」に漬け込むこと。
上質な霜降り和牛をおいしいと感じる理由のひとつは、香りだと言われています。その香りはラクトンという成分で、ココナツミルクにも含まれています。お手ごろな牛肉をココナツミルクに漬け込むことで、和牛の風味に近づけることができるのです。さらに、ココナツミルクには、糖分や酸が含まれているため、牛肉の保水性を高めて、やわらかくする効果もあります。
しかし、ココナツミルクだけで漬け込むと、ココナツの風味が強く出すぎてしまいます。そこで、髙野さんがオススメするのが「無糖練乳」と合わせること。牛肉のおいしさをアップしてくれるココナツミルクの効果はそのままに、ココナツ独特の香りは抑えられ、まろやかな味わいに仕上がります。
ラクトンの量(和牛の香り成分)
和牛・・・5.7ナノグラム
輸入牛・・・0
輸入牛+ココナツミルク(無糖練乳)・・・3.6ナノグラム ※6割
<材料>
・牛肉・・・200グラム
・ココナツミルク・・・大さじ2
・無糖練乳・・・大さじ1
<作り方>
<取材協力>
髙野剛さん(株式会社プリマハム 基礎研究所 主席研究員)
関西風のすき焼きの最大の特徴は、牛肉を砂糖と割り下で焼くところにあります。
今回、関西風すき焼きのスゴ技を教えていただいたのは、明治2年創業の京都の牛肉専門店。
この店では、すき焼きにコクを足すために、熱した鉄鍋に先に白ザラメを敷き、その上で牛肉を焼いています。
粒が大きい白ザラメを加熱すると、ゆっくりと溶け出して鍋底に広がります。さらに加熱することで茶色くカラメル状になり、牛肉に絡むことでコクが増すのです。
味覚をデータ分析・研究している鈴木隆一さんによる実験で、白ザラメを先に入れて焼いた牛肉と、白ザラメをあとに入れて焼いた牛肉を比較したところ、人の舌ではっきりとコクが増したと感じられる差が出ました。
牛肉のあとから砂糖を入れた場合は、砂糖が牛肉の細胞の中に入って保水性を高め、やわらかさを増す効果が期待できるそうです。
<取材協力>
吉岡郁子さん(モリタ屋 おかみ)
森下進一郎さん(モリタ屋 料理長)
「モリタ屋 木屋町店」
住所:京都市中京区木屋町三条上る上大阪町531
<牛肉のコクの差の検証>
鈴木隆一さん(慶応義塾大学理工学部 研究員)
日本映画界が世界に誇る巨匠、小津安二郎監督。脚本を書くときに定宿としていた神奈川県茅ケ崎市にある老舗旅館では、小津監督流のすき焼きが、今でもメニューとして残っています。
小津監督流すき焼きの楽しみ方は、最後の「しめ」にカレー粉を入れること。
小津監督作品にも多く出演した大女優、田中絹代さんもこの「カレーすき焼き」を大絶賛したとの記録が残っています。現在、旅館の五代目森浩章さんは、カレー粉にさんしょうを混ぜてすき焼きの具材にからめて焼き、それをごはんの上に乗せて提供しています。
<作り方>
カレー粉3に対してさんしょう1を混ぜて、残ったすき焼きにからめて焼く。
お好みで、ごはんの上にのせる。
<取材協力>
森浩章さん(茅ヶ崎館 五代目)
「茅ヶ崎館」
住所:神奈川県茅ヶ崎市中海岸3-8-5
フランス料理店のオーナーシェフ、島田哲也さんに日本料理のすき焼きをフランス料理風にアレンジしたすき焼きを教えてもらいました。島田さんのフレンチすき焼きの特徴は、まず、割り下に入れる酒の代わりに「赤ワイン」を使うことです。そして、すき焼きのお供「生卵」にも一工夫。全卵を泡立てた「ホイップ卵」にします。
ホイップ卵を作るとき、軽く溶いてから人肌程度に温めることがポイントです。そうすることで泡立ちやすくなり、早く、きれいに泡立てることができます。
卵の性質に詳しい京都女子大学教授、八田一さんによると、卵の温度が高くなることで、卵に含まれるたんぱく質が空気の周りに早く集まるために、泡が立ちやすくなるといいます。
<材料・4人分>
(赤ワイン割り下)
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・赤ワイン・・・カップ1
・しょうゆ、みりん、水・・・各カップ2分の1
・砂糖・・・大さじ1と2分の1
・はちみつ・・・大さじ2
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(具材)
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・牛肩ロース肉(すき焼き用)・・・500グラム
・焼き豆腐・・・1丁
・ねぎ・・・2本
・ごぼう・・・1本
・豆苗(トーミャオ)・・・1パック
・アスパラガス・・・4本
・マッシュルーム・・・7コ
・みょうが・・・3コ
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(ホイップ卵)
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・溶き卵・・・2コ分
・白みそ・・・大さじ2
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<フレンチすき焼きの作り方>
電子レンジを使う場合(溶き卵1コ・2人分)
<取材協力>
島田哲也さん(フランス料理店オーナーシェフ)
「イレール 人形町」
住所:東京都中央区日本橋人形町2-22-2
八田一さん(京都女子大学 家政学部 食物栄養学科教授)
家電量販店や、楽器店などが運営するインターネット上の通販サイトをまねた、「偽サイト」がいま問題になっています。通信販売に関する相談を受けつけている日本通信販売協会によると、ネット通販に関するトラブル件数は昨年度3,829件。前年度の3.7倍と急増しています。その中には、お店のロゴなどもそっくりそのままコピーされており、一見しただけでは、専門家も見分けがつかないほど巧妙に作られた偽サイトもあります。被害の実態と、私たちがどのように偽サイト詐欺を防ぐことが出来るか、その方法をリポートしました。
偽サイト詐欺問題に関連した相談を受けている、日本通信販売協会の八代修一さんによると、「正規サイトと、偽サイトを見分けるためには、以下の内容を確認することが大事」と指摘します。
着払いなどの支払い方法が選択できず、事前の振り込みのみを要求するケースや、有名な会社であるにも関わらず、振り込み先の名義が海外の個人名義になっている場合などは要注意だと言います。
会社情報に電話番号の記載がなかったり、誰もがよく知る会社であるにも関わらず、問い合わせ先がフリーメールアドレス(簡単につくることが出来るメールアドレス)だけになっているものはご用心とのこと。そのサイトに会社の電話番号が載っている場合には、その番号に連絡するなどして、実在の会社かどうか確認を取った上で注文をすることを矢代さんは勧めています。
<商品が届かないなどのトラブルに関しては>
日本通信販売協会「通販110番」
電話:03-5651-1122(相談専用)
※実際に注文した後のトラブルのみの受付になります。