阪神百貨店:庶民の味、名物「立ち食い」17日閉鎖…大阪

毎日新聞 2015年02月16日 22時33分(最終更新 02月17日 01時12分)

17日に最終営業日を迎える阪神百貨店梅田本店の「スナックパーク」=大阪市北区で2015年2月16日午後7時4分、加古信志撮影
17日に最終営業日を迎える阪神百貨店梅田本店の「スナックパーク」=大阪市北区で2015年2月16日午後7時4分、加古信志撮影

 いか焼きなど大阪の庶民の味を手軽に立ち食いできる場として親しまれてきた阪神百貨店梅田本店(大阪市北区)地下1階の飲食店街「スナックパーク」が、百貨店建て替えに伴い17日で閉鎖される。最終日も通常通り午前10時から午後9時まで営業する。飲食店16店のうち4店は同じフロア西側に移り営業を再開するが、持ち帰りだけとなる。ここ1週間は閉鎖を聞きつけた“ファン”が名残を惜しんで詰めかけており、「建て替え後にぜひ復活を」との声が広がっている。

 「スナックパーク」は1957年の百貨店開店時にできた「おやつセンター」がルーツ。80年ごろに親しみのある「パーク」の名称が定着したという。いか焼きのほか、お好み焼き、きしめん、たこ焼き、カレーなど16店が並び、その場にあるテーブルで買ってすぐ立ち食いするのが名物となってきた。

 百貨店が入るビルは老朽化のため、18日から同パークがある東側の解体工事が始まる。いか焼き、回転焼き、お好み焼き、ちょぼ焼きの4店は21日から同ビル西側で営業を再開するが、面積が約4割縮小されるため、立ち食い用のテーブルは置けず、持ち帰りのみとなる。建て替え後の全面開業は21年秋ごろの予定だが、担当者は「立ち食い飲食店が入るかどうかなど全く決まっていない」と話す。

 この1週間は、立ち食いコーナー閉鎖を惜しむファンが詰めかけ、同パークの売り上げは約2割増となった。16日夕、きしめんを食べていた兵庫県川西市の警備員、宮川覚さん(58)は「高校生の頃から通っており、騒がしい雰囲気が好きだった。無くなるのはめちゃめちゃさみしい」。大阪市北区の会社員、尾崎裕美さん(42)は「仕事帰りによく寄った。大阪らしい風景で建て替え後に復活してほしい」と訴えた。【岡奈津希】

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