韓国:元慰安婦、米で提訴へ 「人道に反する罪問う」
毎日新聞 2015年02月28日 21時00分(最終更新 02月28日 22時30分)
【広州(韓国中部)大貫智子】旧日本軍の従軍慰安婦だった韓国人女性らが3月中旬にも、日本政府などを相手取り、米カリフォルニア州のサンフランシスコ連邦地裁に損害賠償訴訟を起こすことを検討していることが28日、分かった。原告側は人権問題に敏感な米国を舞台に救済を訴える考え。元慰安婦の親族や遺族は28日に遺族会を結成、米国での訴訟などで連携する方針だ。
弁護士によると、原告は米国や韓国に住む元慰安婦の韓国人で、今後は中国や台湾、東南アジアなどの元慰安婦にも訴訟への参加を呼びかける。「国際法上の人道に反する罪」を問い、1人当たり200万ドル(約2億4000万円)の賠償を請求する方針。「当時の統帥権者として責任は免れない」として、皇室を訴訟対象に含めることも検討しているという。
この日発足した遺族会は14人。うち1人は、米国での訴訟に加わる元慰安婦の親族だ。遺族会側は「日本政府の公式謝罪と法的賠償を求めていく」と話している。
米国では2000年にも、韓国などアジアの元慰安婦らがワシントンの連邦地裁で対日損害賠償訴訟を起こした。同地裁は01年、米国の裁判所に管轄権はないなどとして請求を却下。原告側は再審請求したが、06年に連邦最高裁に却下されている。