2012年07月31日15:33
期待はすべて裏目に出る!
大会の流れが定まってきたようです。日本勢をめぐる今大会のキーワードはズバリ「裏目」。ここまでの下馬評をクルッとひっくり返したような展開・空気が、これから先も日本選手団を「裏目」に引きずるに違いありません。もちろん一定の実力が必要ではありますが、期待されていた選手ほど苦戦し、期待が薄かった選手ほど結果を残す、そんな大会へと。
大会初日、金メダル有力候補とされた福見友子が今まで負けたことがない相手に敗れて、まさかのメダルなし。中村美里も強豪に初戦で敗れメダルなし。北島康介は3連覇を逃し、諦めにも近い表情を浮かべる。なでしこJAPANは負けこそないものの、どこか不安を感じさせる戦いぶり。
一方で、競泳・萩野公介は「メダルは次回」という次代のエースでありながら、今大会でマイケル・フェルプスを下していきなりのメダル獲得。同じく競泳の鈴木聡美も、女子の100メートル平泳ぎで日本勢20年ぶりのメダル獲得。柔道で日本勢初の金メダルを獲得した松本薫は、園田監督に「2枚看板ではなく3枚看板でした」と期待薄であったことを示唆され、同じく柔道では苦戦が予想された男子が3日連続のメダル獲得。どこからか突如として現れた、期待薄どころか「はじめまして、どちらさまですか?」のアーチェリー女子団体。
そして、完全に裏目感を示したのが体操。
女子は好演技の連発で団体決勝進出を決めるも、男子は大過失の連続。30日の団体決勝では、ライバルの中国を脅かすどころか、伏兵イギリス・ウクライナに迫られ、「銀メダル争い」に引きずり込まれる始末。誤審の影響もあって一時は、最終結果がメダルなしの4位とさえされました。ひとつのC難度を必死の抗議で取り返さねばメダルを失うほどの接戦。これは事前の期待感、これまでの実績からすれば完全に「裏目」です。
今後もこうした裏目感はつづいていくことでしょう。これがいわゆる「五輪の魔物」なのか。女子レスリングがよもやの敗戦を喫し、男子レスリングがメダルを獲る。室伏広治のハンマーがビックリするほど飛ばない。なでしこJAPANがベスト8で姿を消す。男子サッカーが金メダルを獲得する…そんな裏目結果にも覚悟が必要かもしれませんね。
ということで、内村航平クンをも茫然自失させた、30日の「ロンドン五輪・男子体操団体決勝」をチェックしていきましょう。
◆予選からの悪い流れがそのまま出た!もはやこれは実力不足!
29日に行なわれた男子体操の予選。そこには目を覆うばかりの光景がありました。トップバッターの田中和仁は、鉄棒でほとんど落下と言える演技停止。2番手の山室光史も演技の途中で大きくグラつき、内村航平・田中佑典はつづけざまに落下。
その後の種目でも、あん馬で田中和仁・内村航平が落下。跳馬で山室光史がマットから飛び出していく大失敗。床では田中和仁がラインオーバーを連発。つり輪でもEスコアを大きくロスし、まともな演技をしているのが最年少の加藤凌平だけという体たらく。普段の力量を考えれば、考えられないようなミスの嵐でした。
そして、予選の状態は、確実に決勝にも連鎖。1日でボロボロから立ち直るわけもなかったのです…。
●第一種目 つり輪
日本は中国と同じローテーションで、つり輪から演技スタート。大過失が出にくいつり輪からのスタートはまずまずですが、最後にもっとも点数をロスしやすいあん馬を残す段取り。ライバル中国と同組ということで、ひとつひとつの種目で勝つことが重要となってきます。
「俺がチームを引っ張る。俺についてきてほしい」と宣言していた内村がトップバッター。悪い流れを断ち切るように懸命の演技を見せますが、内村としては「まずまず」というレベルの演技。細かいグラつきや着地の乱れも大会を通じて目立ちます。
それでも、つづく田中弟・山室が15点台の演技でしっかりまとめ、第一種目は中国をリードして発進します。
●第二種目 跳馬
跳馬は6種目の中でもっとも得点を取れる種目。Dスコア7.0+Eスコア9.0で16点以上を出すことが、好演技のひとつの目安となります。中国は3選手平均で16点を超える演技を見せ、やや出遅れた感のあるつり輪の演技をカバーしてきます。
一方日本は、この種目で種目別決勝を狙っていた跳馬得意の山室が大不振。予選でもマットから飛び出す「めったに見れない」大失敗を見せていましたが、この日も練習から不安定。技も入らず、着地も決まらない、大転倒を見せます。
そして本番でも、大技ロペスに挑戦するも、技の入りにズレがあり、着地で四つん這いになる大失敗で14.033の低スコア。想定からは2点をロスします。しかも山室はこの演技で足を痛め、最終種目あん馬でのエントリーを取り下げざるをえない状況に。跳馬だけでなく、あん馬にも影響を与える痛い失敗となりました。
↓日本の金争いは事実上ここで終了していた!痛すぎる大過失!

●第三種目 平行棒
中国が1.6点リードで迎えた第三種目。本来ならリードして迎えたかった中盤は、中国の得意種目がつづきます。日本は田中弟が好演技で口火を切るも、田中兄は実施で得点をロスし、本来なら日本ナンバーワンのチカラを持つはずが15点台前半の得点にとどまります。つづく内村も15点台前半のスコアをマークしますが、これでは中国を追いかけられません。15点台後半の演技を2つ見せた中国に、ジワジワと引き離されていきます。
●第四種目 鉄棒
ここは中国が圧倒的なチカラを持つ種目。日本もスペシャリストを選考して何とか追いすがろうという代表編成をしましたが、いかんせんチカラの差は大きく、「できるだけ負けない」ことが目標。
ところがここで中国にも小さなミスが。鉄棒の世界的名手チョウは演技途中でバーをつかみ損ねる危ない場面があり15.666どまり。世界王者スー・ガイが素晴らしい演技で16.400をマークするも、ぶっちぎるというほどの差はつけられません。
逆に日本が、田中弟の16.000の演技などで、ほとんど離されることなく鉄棒を乗り切ります。返すがえすも2点を失った山室の跳馬が痛い…そう思わされる中盤戦となりました。
●第五種目 ゆか
ゆかで少しでも差を詰めて、あん馬で中国に落下が出るのを待つ。消極的な作戦ですが、金メダル獲得にはもうそれしかない状況。しかし、大会を通じて低調な田中兄が、ここで大ブレーキに。大過失の出にくいゆかで、Eスコア7点台を叩き出し、まさかの13点台。まるでゆかから落下でもしたかのような得点に、チーム内にも諦めの笑顔が広がります。
加藤・内村がいい演技を見せるも、この時点で金メダル争いは絶望的。いや、本格的に「銀メダル争い」を始める状況となりました。
●第六種目 あん馬
山室の負傷により、急きょエントリーすることになった田中兄。もはや説明するまでもない感じですが、案の定、田中兄は落下。若い加藤がいい演技をしても、常にキャプテン田中兄が相殺するという悪い流れが、この最終種目までつづきます。
ガックリする日本を尻目に、場内は地元イギリスのメダルが見えてきたことで大興奮。イギリス選手の演技ひとつひとつに拍手と歓声が上がります。「銅メダルおめでとう」「ウチは悔しい銀です」「あーっ、やってらんねぇ」などの落胆の中で、最終演技を迎えた内村。
しかし、全種目に出場しつづけた疲労や、悲願の団体金を逃した気落ちは、内村に最後の罠を用意します。演技最後の降り技で、倒立からひねりを入れて降りるべきところを、倒立で大きくバランスを崩し、ひねりを入れられないまま崩れ落ちるように着地。銀は確実という状況から、まさかの転落が始まったのです。
↓内村クンの最後の降り技がこのあと物議を醸すことになる!

何と内村のあん馬は13.466というまさかの低得点で日本は一気に4位に転落。金を目指しての4位に騒然となる日本サイド。怒りでも戸惑いでもなく、ボンヤリとする選手たち。どうやらDスコアが過剰に低く認定されており、乱れた降り技をまるごと難度認定していない様子。
日本のコーチ陣は「倒立のあとのひねりは入っていないが、倒立は入っている」「D難度は取れなくてもC難度は取れているだろう」「上がっているじゃないですか!」と猛抗議。これは出来栄え評価への抗議ではなく、難度認定に関する抗議なのでいたって正当なもの。
当然、その抗議は受け入れられ、日本は再逆転で銀に復帰します。しかし、一旦出た「イギリス銀」という結果が、抗議の結果「イギリス銅」となったものですから、場内からはブーイングも上がります。
もちろんブーイングを気に病む必要はありません。正当な抗議で、正当な難度認定をされただけですから。しかし、そんなC難度ひとつで4位に落ちる状況まで追い込まれたこと自体が、日本体操としては残念で情けない話。相手がよかったのならともかく、自分たちで「考えられないレベル」の大過失を連発しているのですから。
日本が大過失を連発することで、中国の後半の演技は安全運転に切り替わりました。本来日本が見せるべき「美しい体操」が、今大会から失われました。最高の演技を見せたとしても、結果的に持ち帰るメダルの色は銀のままだったかもしれません。しかし、結果銀であったとしても、最高の演技をできていたなら。これほどの落胆はなかったはずです。ここまで日本体操が今大会に残した足跡が限りなくゼロ。見るべきものを残せないまま、大目標の団体戦を終えたのは非常に残念です。
↓試合後のインタビューでは、それぞれの話がバラバラ!嬉しいんだか、嬉しくないんだか!
田中兄:「銀メダルを勝ち取れた」
田中弟:「自分の仕事はしっかり果たせた。勝ち取った銀メダル。残りの大会は祭気分で楽しみたい」
内村:「正直、2位でも4位でも一緒」
内村:「応援してもらったらまた気持ちも上がってくると思う」
加藤:「嬉しいけど、悔しい。いい経験になった」
「銀でもまぁ嬉しいよ」に3票、「4位でも一緒だよ」に1票、棄権1票!
最後まで足並みはそろわなかったな…!

「2位でも4位でも一緒」という内村クンの言葉。その気持ちが、あん馬の失敗につながったのでしょう。昨年の世界選手権もそうでしたが、勝てないとなった時点で、気持ちを切らしてしまう悪い癖。落下するならともかく、倒立の上げで難度を逃しそうになるなど、にわかには信じがたい失敗。歓声に心を乱されたことも含めて、「金以外は一緒」という気持ちが、この混乱を生んだように思います。
大目標を逸し、個人総合というある意味で「勝つことに飽きた種目」に臨む内村クン。試合後のインタビューを聞きながら、男子体操を襲うさらなる暗雲を感じずにはいられません。「応援してもらったら、また気持ちが上がる」と本人も言っていますので、ぜひぜひぜひ熱い声援を贈り、やる気を甦らせてほしいものです。
「2位でも4位でも一緒」で決着前に気持ちが切れるようじゃ、1位は遠いぞ!
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大会の流れが定まってきたようです。日本勢をめぐる今大会のキーワードはズバリ「裏目」。ここまでの下馬評をクルッとひっくり返したような展開・空気が、これから先も日本選手団を「裏目」に引きずるに違いありません。もちろん一定の実力が必要ではありますが、期待されていた選手ほど苦戦し、期待が薄かった選手ほど結果を残す、そんな大会へと。
大会初日、金メダル有力候補とされた福見友子が今まで負けたことがない相手に敗れて、まさかのメダルなし。中村美里も強豪に初戦で敗れメダルなし。北島康介は3連覇を逃し、諦めにも近い表情を浮かべる。なでしこJAPANは負けこそないものの、どこか不安を感じさせる戦いぶり。
一方で、競泳・萩野公介は「メダルは次回」という次代のエースでありながら、今大会でマイケル・フェルプスを下していきなりのメダル獲得。同じく競泳の鈴木聡美も、女子の100メートル平泳ぎで日本勢20年ぶりのメダル獲得。柔道で日本勢初の金メダルを獲得した松本薫は、園田監督に「2枚看板ではなく3枚看板でした」と期待薄であったことを示唆され、同じく柔道では苦戦が予想された男子が3日連続のメダル獲得。どこからか突如として現れた、期待薄どころか「はじめまして、どちらさまですか?」のアーチェリー女子団体。
そして、完全に裏目感を示したのが体操。
女子は好演技の連発で団体決勝進出を決めるも、男子は大過失の連続。30日の団体決勝では、ライバルの中国を脅かすどころか、伏兵イギリス・ウクライナに迫られ、「銀メダル争い」に引きずり込まれる始末。誤審の影響もあって一時は、最終結果がメダルなしの4位とさえされました。ひとつのC難度を必死の抗議で取り返さねばメダルを失うほどの接戦。これは事前の期待感、これまでの実績からすれば完全に「裏目」です。
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ということで、内村航平クンをも茫然自失させた、30日の「ロンドン五輪・男子体操団体決勝」をチェックしていきましょう。
◆予選からの悪い流れがそのまま出た!もはやこれは実力不足!
29日に行なわれた男子体操の予選。そこには目を覆うばかりの光景がありました。トップバッターの田中和仁は、鉄棒でほとんど落下と言える演技停止。2番手の山室光史も演技の途中で大きくグラつき、内村航平・田中佑典はつづけざまに落下。
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●第二種目 跳馬
跳馬は6種目の中でもっとも得点を取れる種目。Dスコア7.0+Eスコア9.0で16点以上を出すことが、好演技のひとつの目安となります。中国は3選手平均で16点を超える演技を見せ、やや出遅れた感のあるつり輪の演技をカバーしてきます。
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●第三種目 平行棒
中国が1.6点リードで迎えた第三種目。本来ならリードして迎えたかった中盤は、中国の得意種目がつづきます。日本は田中弟が好演技で口火を切るも、田中兄は実施で得点をロスし、本来なら日本ナンバーワンのチカラを持つはずが15点台前半の得点にとどまります。つづく内村も15点台前半のスコアをマークしますが、これでは中国を追いかけられません。15点台後半の演技を2つ見せた中国に、ジワジワと引き離されていきます。
●第四種目 鉄棒
ここは中国が圧倒的なチカラを持つ種目。日本もスペシャリストを選考して何とか追いすがろうという代表編成をしましたが、いかんせんチカラの差は大きく、「できるだけ負けない」ことが目標。
ところがここで中国にも小さなミスが。鉄棒の世界的名手チョウは演技途中でバーをつかみ損ねる危ない場面があり15.666どまり。世界王者スー・ガイが素晴らしい演技で16.400をマークするも、ぶっちぎるというほどの差はつけられません。
逆に日本が、田中弟の16.000の演技などで、ほとんど離されることなく鉄棒を乗り切ります。返すがえすも2点を失った山室の跳馬が痛い…そう思わされる中盤戦となりました。
●第五種目 ゆか
ゆかで少しでも差を詰めて、あん馬で中国に落下が出るのを待つ。消極的な作戦ですが、金メダル獲得にはもうそれしかない状況。しかし、大会を通じて低調な田中兄が、ここで大ブレーキに。大過失の出にくいゆかで、Eスコア7点台を叩き出し、まさかの13点台。まるでゆかから落下でもしたかのような得点に、チーム内にも諦めの笑顔が広がります。
加藤・内村がいい演技を見せるも、この時点で金メダル争いは絶望的。いや、本格的に「銀メダル争い」を始める状況となりました。
●第六種目 あん馬
山室の負傷により、急きょエントリーすることになった田中兄。もはや説明するまでもない感じですが、案の定、田中兄は落下。若い加藤がいい演技をしても、常にキャプテン田中兄が相殺するという悪い流れが、この最終種目までつづきます。
ガックリする日本を尻目に、場内は地元イギリスのメダルが見えてきたことで大興奮。イギリス選手の演技ひとつひとつに拍手と歓声が上がります。「銅メダルおめでとう」「ウチは悔しい銀です」「あーっ、やってらんねぇ」などの落胆の中で、最終演技を迎えた内村。
しかし、全種目に出場しつづけた疲労や、悲願の団体金を逃した気落ちは、内村に最後の罠を用意します。演技最後の降り技で、倒立からひねりを入れて降りるべきところを、倒立で大きくバランスを崩し、ひねりを入れられないまま崩れ落ちるように着地。銀は確実という状況から、まさかの転落が始まったのです。
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価格:13,000円 |
何と内村のあん馬は13.466というまさかの低得点で日本は一気に4位に転落。金を目指しての4位に騒然となる日本サイド。怒りでも戸惑いでもなく、ボンヤリとする選手たち。どうやらDスコアが過剰に低く認定されており、乱れた降り技をまるごと難度認定していない様子。
日本のコーチ陣は「倒立のあとのひねりは入っていないが、倒立は入っている」「D難度は取れなくてもC難度は取れているだろう」「上がっているじゃないですか!」と猛抗議。これは出来栄え評価への抗議ではなく、難度認定に関する抗議なのでいたって正当なもの。
当然、その抗議は受け入れられ、日本は再逆転で銀に復帰します。しかし、一旦出た「イギリス銀」という結果が、抗議の結果「イギリス銅」となったものですから、場内からはブーイングも上がります。
もちろんブーイングを気に病む必要はありません。正当な抗議で、正当な難度認定をされただけですから。しかし、そんなC難度ひとつで4位に落ちる状況まで追い込まれたこと自体が、日本体操としては残念で情けない話。相手がよかったのならともかく、自分たちで「考えられないレベル」の大過失を連発しているのですから。
日本が大過失を連発することで、中国の後半の演技は安全運転に切り替わりました。本来日本が見せるべき「美しい体操」が、今大会から失われました。最高の演技を見せたとしても、結果的に持ち帰るメダルの色は銀のままだったかもしれません。しかし、結果銀であったとしても、最高の演技をできていたなら。これほどの落胆はなかったはずです。ここまで日本体操が今大会に残した足跡が限りなくゼロ。見るべきものを残せないまま、大目標の団体戦を終えたのは非常に残念です。
↓試合後のインタビューでは、それぞれの話がバラバラ!嬉しいんだか、嬉しくないんだか!
田中兄:「途中、光史の怪我もあり、最後まで何が起こるかわからないという状況で、それでもみんな諦めず最後までやりきって、後半また少し失敗出ましたけど、まぁ結果は結果なんで。少し後味の悪い状況になりましたけど、銀メダルを勝ち取れたということで、まぁ少し悔しいですけど……………これはこれとして受け止めて、金メダルに向けて頑張らないといけないなと」
田中兄:「光史の代わりにあん馬出場することになったんですけど、しっかり役目果たせなかったのは、予選のときの失敗もあるんで、二日間連続で失敗したっていうのは、非常に悔しいです。個人総合と種目別、まだ残っている人がいるんで、少し気持ちが落ちるかもしれないですけど、そこは立て直して、しっかり頑張りたいと思います」
田中弟:「自分の仕事をしっかり果たせたと、その点ではすごく嬉しく思っています。銀メダルで終わってすごい悔しいんですけども、何て言うんでしょう、最後まで諦めずチーム一丸となって獲れた銀メダルだと思うんで、その点ではよかったですし、終わったあとすぐリベンジしたいという気持ちがわいたんで、これを糧に頑張れるんじゃないかと思います」
田中弟:「(五輪は)何が起こるかわからない舞台でしたね。けど、あのー、楽しくできました。団体金メダルを目指して集中してきたので、種目別残ったら、祭気分で楽しもうと思ってたので。そういう気持ちで思い切ってオリンピックを楽しみたいと思います」
田中弟:「(銀メダルの重みは)ハプニングとかいろいろありましたけど、乗り越えてつかんだ銀メダルなんで…」
内村:「最初、僕の演技が終わったあとに、電光掲示板に4位という風に表示されて、正直もう何も言葉も出なかったですし、何か、今まで何やってきたんだろうなぁっていう想いが、すごくこみ上げてきて」
内村:「結果は、僕のあん馬の降り技の難度が取れて、それで2位になったんですけど、正直4位でも2位でも僕はあまり変わらなかったかなと思います。メダルは獲れましたけど、やっぱりちょっと後味の悪いチーム戦だったなっていうのは感じました」
内村:「4年前とまったく同じでしたね。4年前もこの銀メダルを見つめて、中国の金メダルを羨ましそうに見ていたのを思い出しました」
内村:「昨年の世界選手権よりは気持ちはスッキリしているというか、みんなやることやったんで、すぐ気持ちは切り替わると思うので、個人総合・種目別とつなげていきたいと思います」
内村:「(あん馬の乱れは)イギリス選手とかぶっていたので、ラストの歓声が気になったというか、少し観衆にのまれたと思います」
内村:「予選・団体と応援してくれているみなさんには不甲斐ない結果なんですけども、こっから個人総合と種目別でまたさらに応援してもらえると、また気持ちも上がってくると思うんで、ホントに応援してくれているみなさんのために、演技したいなと思います」
加藤:「僕はこれが初の試合なので、銀メダルを獲れたというのは嬉しい気持ちもあるんですけど、やっぱり金メダルを目指してやってきたので悔しい気持ちもありますし、でも僕よりも絶対に、昨年とか世界選手権で戦ってきた先輩たちのほうが悔しいと思うので…。チーム一丸となって戦ったことはいい経験になると思いますし、いつまでもメゲてないで、まだ先があるのでこれからも頑張っていきたいと思います」
田中兄:「銀メダルを勝ち取れた」
田中弟:「自分の仕事はしっかり果たせた。勝ち取った銀メダル。残りの大会は祭気分で楽しみたい」
内村:「正直、2位でも4位でも一緒」
内村:「応援してもらったらまた気持ちも上がってくると思う」
加藤:「嬉しいけど、悔しい。いい経験になった」
「銀でもまぁ嬉しいよ」に3票、「4位でも一緒だよ」に1票、棄権1票!
最後まで足並みはそろわなかったな…!
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「2位でも4位でも一緒」という内村クンの言葉。その気持ちが、あん馬の失敗につながったのでしょう。昨年の世界選手権もそうでしたが、勝てないとなった時点で、気持ちを切らしてしまう悪い癖。落下するならともかく、倒立の上げで難度を逃しそうになるなど、にわかには信じがたい失敗。歓声に心を乱されたことも含めて、「金以外は一緒」という気持ちが、この混乱を生んだように思います。
大目標を逸し、個人総合というある意味で「勝つことに飽きた種目」に臨む内村クン。試合後のインタビューを聞きながら、男子体操を襲うさらなる暗雲を感じずにはいられません。「応援してもらったら、また気持ちが上がる」と本人も言っていますので、ぜひぜひぜひ熱い声援を贈り、やる気を甦らせてほしいものです。
「2位でも4位でも一緒」で決着前に気持ちが切れるようじゃ、1位は遠いぞ!
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ホントですね。さすがフモさん。しかし更新早いですね!