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記者20年目、はじめて五輪取材の現場にやってきました。どんな世界一の瞬間を目の当たりにできるのか。楽しみでならない。
ロンドンはテニスのウィンブルドン選手権取材で何度か訪れたことはある。でも、今回は雰囲気が違ってみえる。自分が持つ高揚感のせいなのか。ピンクの背景色に描かれた「London 2012」の文字があちらこちらで躍り、カードホルダーを下げた大会スタッフが闊歩(かっぽ)する。史上初の3度目の五輪開催を迎えて、町全体が胸を張っているかのようだ。
果たして日本選手はこの雰囲気をどう感じているのだろうか。のまれはしないか。一抹の不安を抱いて水を向けた体操の代表選手たちは、たくましかった。
「もうそろそろ試合でいいかな。早く試合がしたい」と待ちきれない言葉は、エースの内村航平(コナミ)。まあ、彼は前回北京五輪を経験しているからいいとしても、残りの代表陣も実にリラックス。チーム最年少18歳の加藤凌平(順大)は、暑ければ町中でアイスを買ってペロリ。「選手村の食事もおいしい。一番? アメリカの骨付き肉」と旺盛だ。
そんな男子チームが競い合っているものが、記念バッジ集め。全世界から集う選手、役員、報道陣たちが所属のアピールを兼ねそれぞれに持ち寄ったバッジを交換しあう。五輪ならではの恒例行事(らしい)。体操チームも協会作成バッジをカードホルダーにつなぎとめ、行き交う選手や関係者との交流を楽しんでいる。
じゃらじゃらと歩く度にバッジがぶつかり、音を立てるのがうれしそうだ。目下のトップは山室光史(コナミ)か。「選手村の入り口で知らないおじさんと交換した。航平も結構集めている」と山室。と、いうことで不慣れな記者も1個、めぐんでもらった。
さて、夢の祭典の期間中、どこまで集められるのか。27日、いよいよ開会式です。(藤島真人)