【動画】「苦しい五輪だった」体操4選手が会見 |
ロンドン五輪の男子体操で、団体と個人合わせて計3個のメダルを獲得した内村航平ら4選手が8日、ロンドン市内で記者会見した。内村選手は「苦しいオリンピックだった」などと胸のうちを語った。
内村選手は個人総合で日本選手として28年ぶりの金メダル。2位の選手に大差をつけて勝ったが、最終種目のゆかではミスも出た。「最初のあん馬からミスなく行ったが、『あと一つだから大丈夫』という気持ちになると、魔物に襲われるな、と感じた」。ゆかで最高G難度の大技を回避したことには、「不安だったのと、予選で非常にいい評価を受けていたので着地を止めれば十分金メダルを取れると思った」と話した。
種目別の平行棒で、予選1位ながら8位に終わった田中佑典選手は「不完全燃焼ですっきりしないが、すぐリベンジしたいという気持ちがわいた。これを糧に(4年後の)リオ五輪までがんばる」と話した。
団体では2大会ぶりの優勝をめざしたものの、中国には及ばなかった。
決勝では競技終了直後にいったんは4位と表示され、日本側の抗議で得点が修正され、2位が確定する場面があった。
最終種目のあん馬の最後で失敗した内村選手は「大会前から今回の五輪にかけていて、いつもと違う気持ちで臨んでしまった」と振り返った。得点が修正されるまでの間は「ただずっと電光掲示板を見つめていたような気がする」。加藤凌平選手は「2位に変わったときはホッとした」と話した。
山室光史選手が演技中に骨折するアクシデントもあった。田中佑典選手は「ここに光史さんがいないことが残念だが、最後まであきらめずに戦い抜いて獲得した銀メダル。悪くないかなと思う」。内村選手も「次の目標がすぐにできたので、自分を突き動かす原動力になる」と先を見据えていた。
内村選手以外のメンバーはいずれも初めての五輪出場。7日にあった種目別の平行棒で4位だった最年長の田中和仁選手は「失敗が多かったので、出来としては50%ぐらい」と浮かない表情。一方、団体のゆかで好演技を見せた最年少の加藤選手は「初の世界の舞台で伸び伸び演技ができて、勝ち取った銀なのでうれしい。メダルが輝いて見える」と語った。
弟の佑典選手、妹の理恵選手と合わせて3人きょうだいでの出場を果たした田中和仁選手は「いい経験ができた」。9日には帰国の途につく4人。佑典選手は「五輪で完璧な演技をしたときの喜びは国内大会の数十倍。恩師や世話になった人たちにあいさつし、すごい気持ちだったと伝えたい」と話した。(永田工)