対象ソフトウェア:Google Chrome(Windows/Mac OS X/Linux版)
あるとき、筆者の仕事場にあるWindows PCで、Google Chromeに「怪しい」広告が表示される、という現象が報告された。確認すると、日本国内の「真っ当な」大手企業の情報サイトにもかかわらず、「お使いのPCがクラッシュ寸前です! OKをクリックして無料修理」という、いかにもマルウェア配布サイトへ誘導されそうな広告バナーが表示されている。
そこで調査したところ、当該のChromeに登録されていた特定の拡張機能を無効化すると、この怪しい広告が表示されなくなることが判明した(有効化すると再現する)。結局、この拡張機能を削除することで上記のトラブルは解消された。
(頻繁に生じることではないだろうが)このように特定の拡張機能が原因で、Chromeの挙動がおかしくなることがままある。そこで本稿では、このような場合にどの拡張機能が原因なのか、特定するために筆者が実践した調べ方を紹介したい(といっても、手間がかかるだけで、そう難しい作業ではない)。
Chromeの拡張機能を疑う前に、例えば次のような点を事前に確認しておきたい。
これで「現象が発生しているChrome自身に、一時的ではない何らかの問題がありそうだ(WebサーバーやクライアントOSが原因ではなさそう)」という程度には絞り込むことができる。
ところで、以下ではWindows版Chromeのスクリーンショットを掲載している。特記していない限り、Mac OS XやLinuxでも操作方法は共通だ。
Chromeは閲覧履歴やクッキーなどをコンピューターに残さない「シークレットモード(シークレットウィンドウ)」という表示モードを備えている(Internet Explorerの「InPrivateブラウズ」に似た機能だ)。
このモードでは、Chromeに組み込まれている全ての拡張機能がデフォルトで無効化される。そのため、シークレットモードで問題の現象が再現しなければ、いずれかの拡張機能がその現象を引き起こしている可能性が高い、と判断できる(100%と断定できるわけではない)。
ただ、Chromeの設定を変更していると、拡張機能はシークレットモードでも実行可能だ。そこでまずは、全ての拡張機能がシークレットモードで無効化される設定になっているか確認する。
次にシークレットウィンドウを開いて、くだんの現象の再現を試みる。それにはメニューボタンをクリックして[シークレットウィンドウ]を選ぶか、[Ctrl]+[Shift]+[N]キーを押す。
上記の手順でくだんの現象が再現しなかったら、次は拡張機能を1個ずつ無効化しながら現象の再現を試みることで、どの拡張機能が原因なのか探っていく。それには前述の手順で拡張機能の設定ページを開き、[有効にする]チェックボックスを1個ずつオフにしつつ、(シークレットモードではない)通常モードのウィンドウでくだんの現象が止まるかどうか確認する、ということを繰り返していく。
現象が再現しなくなったら、その直前に無効化した拡張機能はそのまま残して、他のものを全て有効化する。それでも現象が再現しないままなら、その拡張機能が「犯人」だと特定できる。上記の(3)の手順で削除してよいだろう。
ちなみに、問題となった拡張機能に対して上記の(2)の[詳細]−[ストアで見る]をクリックしたところ、Chromeウェブストアから該当ページが消えていた。その拡張機能は確かにこのストアで配布されていたものをインストールしたので、その後ストアから削除されたようだ。
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