日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。


  1. 社会
  2. ニュース

社会ニュースのRSS

韓国の憲法裁判所が姦通罪を廃止

 韓国の憲法裁判所は26日、同国の刑法にある姦通(かんつう)罪は「個人の自由や権利を過剰に制限し憲法違反だ」とする判決を出し、同罪は即時廃止された。

 憲法裁は過去4回同罪を合憲と判断していたが、配偶者以外の異性と性的関係を持つことに刑罰を科すことは不適当だとの考えが社会で強まったことが反映された。

 2008年の最後の合憲判決後に同罪で起訴された約5400人は再審を申請すれば全員無罪になる。一方、民法改正などを通じ不倫で家庭生活を破綻させた側の責任を問う仕組みを補強すべきだとの声も出ている。

 貞操観念の重要性を強調する儒教文化に根ざした韓国で、家族のあり方をめぐる議論が活発になりそうだ。リベラルな女性団体が判決を歓迎する一方、儒者の団体は「嘆かわしい」と非難した。

 韓国では不倫が発覚した芸能人が逮捕や起訴されて芸能活動を中止することも度々あった。今後ドラマや映画でも不倫の描き方が大きく変わると分析する声もある。

 韓国の姦通罪は夫婦双方を対象に、不倫をした側とその相手を処罰。配偶者の告訴に基づく親告罪で、罰金刑はなく2年以下の懲役刑だけを定めていた。

 憲法裁は9人の裁判官のうち6人の賛成で違憲判決を出せるが、今回7人が違憲と判断した。このうち5人は「結婚生活や家庭の維持は当事者の意思に任せるべきだ。姦通罪は個人の自由や権利を過剰に制限し、異性との性的関係の自己決定権や私生活の自由を侵害している」と意見を述べた。2人は、刑罰が懲役刑しかなく、当事者の事情を考慮した量刑ができないことを問題視した。

 合憲と主張した2人の裁判官は「姦通罪の廃止は社会の性道徳の低下を招き、家族共同体の解体を進めかねない」と述べた。(共同)

 [2015年2月26日23時6分]

PR情報






日刊スポーツ購読申し込み 日刊の有料サイト