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沖縄県 許可区域外でサンゴの損傷確認
2月26日 19時28分

沖縄県 許可区域外でサンゴの損傷確認
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アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡り、沖縄防衛局が名護市の辺野古沿岸部に設置したコンクリートブロックについて、現地調査を行った沖縄県は、岩礁の破砕を許可した区域の外でブロックの下になって割れているサンゴがあったという、26日の調査結果を明らかにし、今後、さらに調査を進めることにしています。

沖縄県の名護市辺野古沖では、普天間基地の移設計画を進める沖縄防衛局が、立ち入り禁止区域を示すフロートのおもりとして、最大で45トンのコンクリートブロックを設置しました。
これについて沖縄県は、区域を限定して岩礁の破砕を許可していましたが、「区域の外に置かれたブロックで岩礁が壊された可能性が高い」として、26日から現地調査を始めました。調査では、海の上からブロックの設置状況を確認したあと、3人のダイバーが、海底に置かれた8つのブロックの周辺で潜水調査を行い、海底の岩礁の損傷状況などを調べました。
県によりますと、その結果、岩礁を破砕することを許可した区域の外で、ブロックの下になって割れているサンゴがあったということです。今後、撮影した写真を分析するなどして、さらに調査を進めることにしています。
また、26日の調査は、アメリカ軍の許可が得られていないため、立ち入り禁止区域の外側で行われましたが、県は、許可を得る手続きを進め、立ち入り禁止区域の中でさらに詳しい調査を行いたいとしています。
コンクリートブロックの設置について、沖縄防衛局は、事前の調整の中で、フロートのおもりに許可の必要はないことが県側から示されたと主張しています。これに対し、移設計画の阻止を掲げる沖縄県の翁長知事は、現地調査の結果などを踏まえて、前の知事が埋め立て工事のために出した岩礁を破砕する許可そのものを取り消す可能性もあるという考えを示しています。

調査とは

沖縄県の依頼を受けたダイバー3人は、コンクリートブロックが置かれた海底まで潜り、メモを取ったり水中カメラで撮影したりして現場の状況を記録していました。
海底に潜ったダイバーたちは、8か所の調査地点を順番に回り、ブロックの下をライトで照らしながら状況を確認しました。
海底にはブロックとブイをつなぐ鉄の鎖が横たわり、サンゴに引っかかっている様子も見られました。また、深さ5.5メートルの海底では、幅30センチほどのサンゴがブロックの下敷きになり、一部は割れていました。ダイバーたちは、こうした状況を水中カメラで撮影し記録していました。
調査のあと、沖縄県水産課の新里勝也課長は報道陣に対し、「ダイバーから、コンクリート構造物の下に割れているサンゴがあると報告を受けた。資料を持ち帰ったうえで分析したい」と述べました。

知事「もう1回確認しないと」

沖縄県の翁長知事は県議会のあと記者団に対し、「これから報告を受けて、今後どうするか検討する。どの程度壊れているか分からないので、もう1回確認しないと責任ある発言はできない」と述べました。
また、菅官房長官が記者会見で、「一方的に現状調査を開始したことは極めて遺憾だ」と述べたことについて、翁長知事は「私たちは県の立場として当然のことだと思っているので調査はさせていただきたい」と話しました。

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