愛知・一家3人殺傷:「生きて罪を償って」交際女性が証言

毎日新聞 2015年01月23日 21時49分

 愛知県蟹江町の一家3人殺傷事件(2009年5月)で、強盗殺人罪などに問われた中国籍の無職、林振華(りん・しんか)被告(31)に対する裁判員裁判が23日、名古屋地裁(松田俊哉裁判長)であり、殺害された洋菓子店店員、山田雅樹さん(当時26歳)と交際していた女性が証言し、林被告に対し「ずっと生きて罪を償ってほしい」と、死刑を望まない考えを示した。

 法廷と別室を中継するビデオリンク方式で証言した。女性は05年、雅樹さんと同じ洋菓子店に就職し、1年後から交際。事件の1週間前には、結婚について話し合ったという。

 女性は「雅樹さんに結婚しよう、と言われてうれしかった。将来一緒にケーキ店を出せればいいねと話し合っていた」と無念をにじませた。林被告への処罰について検察側が尋ねると「ずっと悲しい思いを抱えていなければならない私たちと同じように、ずっと自分の罪を反省し、償ってほしい」と語った。

 林被告は閉廷前、死亡した雅樹さんと母喜保子さん(当時57歳)らに対する謝罪の言葉を初めて述べた。

 26日の次回公判では、林被告の両親の証人尋問と被告人質問が予定されている。【金寿英、大野友嘉子】

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