ワンルームでも東京・23区内は家賃が高い……と思いきや、近年はこれまでの平均価格を大きく下回る格安物件が急増しつつあるという。
賃貸・不動産情報サイトの『アットホーム』によれば、東京23区内のワンルーム物件の平均家賃は高額順に港区11.42万円、千代田区10.14万円、中央区9.85万円と続く(2月17日時点)。23区内の人気エリアでは、ワンルームで家賃10万円は標準価格だ。
その一方で、「家賃5万円」など23区内の格安物件を専門に扱う仲介会社が増えてきている。不動産業界紙の記者A氏がこう話す。
「背景には賃貸住宅の空き家問題があります。総務省の統計では、全国の空き家の総数820万戸(総住宅数の13.5%)のうち、賃貸住宅は429万戸(52%)。ここ数年では1割近く増加し、特に東京都は空き家総数に占める賃貸住宅の割合が70%と、全国的にも突出して多いんです」
なぜ、都内では賃貸住宅の空き家が増えているのか。
「若い世代が賃貸住宅に住まなくなっていることが原因のひとつ。例えば最近は、北関東の実家から1、2時間かけて都内の大学に通う学生が急増し、かつて賃貸暮らしだった社会人も実家に戻るケースが増えています。給料が上がらない若者にとっては、毎月の賃料支出が重荷になっているわけですね」(A氏)
そんななか、家主は空き部屋を遊ばせておくよりは、値下げしてでも客をつけようと考える。こうして、不動産賃貸業界では“23区内でも家賃5万円台以下”というカテゴリーが定着しつつある。
では、格安で質もそれなりに高い「ハイコスパ賃貸」はどう探せばいいのか? A氏に業者選びのポイントを聞いてみた。
「安さを重視するなら大手仲介会社は避けたほうがいいかもしれません。会社の収入源となる仲介手数料は家賃に比例しますから『格安物件なんてホントは紹介したくない』というのが彼らの本音。安さ重視の希望を伝えても、言葉巧みに高めの物件を紹介される恐れがあります。
また、『5万円以下物件多数!』などとうたっておきながら、よく調べると“シェアハウスしかない”“風呂なし物件しかない”…なんてところも見受けられます。格安物件を専門に扱う仲介会社を選ぶのが賢明でしょう」(A氏)
A氏によると、家賃6万円以下の物件に特化した賃貸情報サイト『部屋まる』などがオススメとか。実際にそのサイトをチェックすると、確かに、東京23区内で〝駅近〟〝バス・トイレ別〟〝日当たり良好〟な格安物件が多数掲載されていた。…