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人口が約4万人、過疎に悩む島根県雲南市の呼びかけに全国の140の自治体…
人口が約4万人、過疎に悩む島根県雲南市の呼びかけに全国の140の自治体が応えた。「地域自主組織」の推進会議が今月中旬に発足した。
自治会に加えて消防団や婦人会、地元の学校のPTA、福祉や体育関係など、地縁に根ざす団体が力を合わせ、できればひとつになる。自治会の活動が世帯ごと、長老主導になりがちな点を改め、住民一人ひとりが対等の立場で参加し、活動する。これが地域自主組織のおおまかなイメージだ。
その役割は、防災や福祉、教育、地場産品の製造販売など多岐にわたり、推進会議は「小規模多機能自治」と呼んでいる。
地域で大きな役割を果たしてきた自治会・町内会の存続が、高齢化と少子化で危うくなってきていることが背景にある。
先行する雲南市には、形態や取り組みはさまざまながら、約30の地域自主組織がある。独り暮らしのお年寄りへの声かけを兼ねた水道検針、民間スーパーの撤退を受けた住民管理のミニ店舗、廃校後の校舎を改装した宿泊研修施設の運営など、コミュニティーを維持し、活性化するための事業が生まれている。
全国の市町村の1割近くが推進会議の会員に名を連ねたのは、危機感の表れだろう。推進会議は、自治体間で情報交換しながら、小規模多機能自治に適した法人制度や税制を国に求めていく考えだ。国の既存の制度に頼り切るのではなく、自治体同士が学び合い、国と向き合おうとする姿勢を歓迎したい。
注文もある。
まず、自治体の歳出削減ありきでは、失敗しかねない。
住民による活動が広がれば、税金で提供するサービスを減らせるかもしれない。ただ、それはあくまでも取り組みの成果であり、目標は地域コミュニティーの維持・活性化だ。自主組織の挑戦を支えるのは、行政からの自由度の高い交付金である。
次に、NPO法人や公益法人など、地縁に基づかない民間団体とも連携してほしい。
雲南市も、地域自主組織の整備と並行して、市内外の若者らが交流する場を設け、人材育成を担うNPO法人の設立につなげるなど、地域外の声や活力を取り込む工夫をしている。
地域自主組織の形態や活動は、自治体や自治体内のコミュニティーの数だけあるはずだ。官や民、団体間の縦割りを取り払い、住民一人ひとりが参加・行動するという原則を見失わない。そうして、無数の小規模多機能自治が芽生え、育つことを期待したい。
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