ゲームの年齢制限は必要か? 審査しているのは誰?
テーマ:ブログおはようございます。杏野はるなです。
最初に。本ブログは内容の団体等を非難、中傷するものではありません。
あくまでも、現状と、こうなったら良いなという個人の意見です。
今回のブログはかなり真面目な内容です。そしてちょっとだけ専門的な部分もありますが、なるべく分かりやすく書いてみたいと思いますのでお付き合いくださいませ。
ゲームが好きな方々、またはゲームをするお子様をお持ちの親御様にもきっと大切な内容です。
まず、現在のゲーム業界には「年齢規制」(推奨)があるのはご存知の通りです。それではそれを決めているのは? 誰? どんな人達? となるとなかなか一般の方はお答えが出せなくなってくるのではないでしょうか。これは現在、CERO、という特定非営利法人が行っています。
ちなみに、こんな感じの区分けになっています。
・ 「A」(全年齢対象)
・ 「B」(12才以上対象)
・ 「C」(15才以上対象)
・ 「D」(17才以上対象)
・ 「Z」(18才以上のみ対象)
ではどういった流れでこれが決まっていくのでしょうか?
これは割と単純でして、ゲームメーカーさんがこのCEROさんにゲームを提出して「審査」してもらうのです。そしてCEROさん側から、このゲームはB、こりゃあZだわ。となる訳ですね。
ちなみに、この「審査」には審査料がかかります。え? 非営利なんじゃ? と思われた方も多いかと思うのですが、ゲームに限らず、特定非営利法人というのはそういう部分を持っている事は多くあります。(これは悪い意味ではなく、ちゃんと法律に従った上なのです)
その審査料はゲームメーカーがCEROさん側に払う訳ですが、じゃあなんでそこを通さないといけないの? という小学生の「どうして学校っていかなくちゃいけないの?」的疑問が生まれてくる訳ですね。これは現時点において、「そういう風になっている」としか言えないのです…。すごく簡単に書きますと、日本の義務教育みたいなものでして、ゲーム業界はそういう構造になっているのですね。なのでここはあえて割愛します。
が、一つ見逃しがちなのは、皆様が買っているゲームソフトの値段に関節的にこの審査料が含まれているのも忘れずに。
さて、次に出てくる疑問は「どんな人が審査しているの?」という疑問が出てくると思います。学校に例えるならば「どんな人が先生なの?」という感じでしょうか。これは生徒さんの親でしたらもちろん気になりますし、大事な部分ですよね。
それを見てみますと、弁護士さんでしたり、人間文化~研究教授でしたり、税理士さんでしたりするのです。すごい肩書きの方々です。??? でもちょっとだけ待ってくださいませ、これってゲームの審査でございますよね…。という疑問もここから出てくるのですね。
例えば、算数の先生にプロ野球の選手がなる事は通常あり得ないのです。これは差別でもなんでもなく、「その道のプロ」だからです。そう考えるとなかなか不思議な事が分かってきます。
もちろん、他にも構成員の方がいらっしゃって審査をしていらっしゃると思うのですが、それでも果たしてゲームの事を本当に知っていて審査をしているのかが多少疑問なのです。
私はゲームというのは「表面上のグロだったり猥褻」に見えるものだけが子供への悪影響ではないと思うのです。例えば、私が最近すばらしいと思ったゲーム「ザ・ラスト・オブ・アス」ですが、これはZ指定でした。つまりは18歳以上のみ対応という1番「重い」やつです。
が、これ、実際にプレイしてみますと、ストーリーや会話には実に今の子供に大事だと思われる多く含まれているのですね。友情、信頼、勇気などが詰まっています。確かに、見た目には残虐と思われる表現もありました(あくまで視覚的に)でもそこだけを取り上げてZというのはちょっち違うと思うのです。
日本の国民的ゲームにドラクエがありますが、表現はぱっと見はソフトで、勇者がモンスターをやっつける! というのが基本です。でもね、これって考え方によってはすごく怖いと思うのです。だって、モンスターは無限に湧く、で、何度でもやられる。でも主人公は死んでも宿や魔法で即復活。これって本当に正義?
もちろんドラクエが悪いという意味ではありません。でも、ゲームの奥にあるテーマとか、人間性という部分も大事にしなくてはいけない。
ドラクエごっこと子供がやったとします。すると、じゃあ、俺勇者な、お前モンスター。で、モンスター役はやられるわけです(そうじゃないときもあるかも…)で、やられたら魔法で復活するわけです。人の死ってこんなに簡単にリセットできるんだ。と子供が考える「可能性」もある。
でもドラクエは審査Aの全年齢対象なわけです。私から見て、ドラクエとラストオブアスは正直色々な要素を含めて考えると、少なくともAとZまでの差はないと感じました。
また、不思議なのはこういったホラー表現というのは例えばUSJのアトラクション等には甘いのです。お化け屋敷等。私は思うのですが、もっと自由でいいし、それを遊んだ後に親子で考える。それも含めて大事だと思うのです。
さて、そんなちょっと不思議な審査機構なのですが、私が一番「いかん」と思うのは、「その作品の審査を誰がしたのかユーザーは分からない」という事なんです。先にも書きましたが、Z指定をつけた審査委員が保育園の先生かもしれないのです。これは極端な例ですが、公表していないということは逆に言えばどんな可能性も考えられる、考えていい。という事にもなってしまいます。
なので、私は倫理基準というのはあってもいいと思う。目安として。
でも最低でも
○この作品は誰がレーティングを審査したのかの個人名を公にする。
これは絶対だと思う。だって、ゲームに詳しくない人が、例えばサッカー選手が(これはサッカー選手がふさわしくないという意味ではありません)やっている事もあるかもしれないのですから。
今の時代、コンビニの野菜でさえ、制作者の名前がある。オリンピックの審判もしっかり名前を出している。それなのに、こんなにも大きな影響力を持つ人達の詳細が分かりにくというのはやっぱりちょっとおかしいです。
きっと皆様もそうだと思うのですが、料理番組を見ていて「なんでこの人が味を評価するねん」と思う事ってありますよね。逆に、今まで料理の世界でしっかりと生きてた方が評価をすれば、「うん! きっと美味しいのだろう!」となるし納得するわけです。
と色々書いてきましたがきっとこれはCEROの関係者の方もお読みになると思います。
後に私もCEROさんでゲームの審査をさせていただきたく思っていましてご連絡をさせていだだく予定です。
私は書いた内容に自信を持っています。ゲームコンテンツの勉強にも自信を持っています。なので言います。最後に本当に大事なのは子供であり、ユーザーです。メーカーからの審査料はしっかりとやっていれば必ず後からついてきます。長い目が大事です。
また、募集の欄に「ゲーム業界の関係者はNG」とありますが、これも実はちょっとおかしいです。おそらくは自社の作品に甘くなる等等の問題だと思うのですが、プロでしたらそんな事はしません。逆にそんな事をするような人間に審査をさせてはいけないと思うのです。
仮に、私が大手ゲームメーカーの人間だったとします。そして、CEROさんの審査員もやっていたのでしたら自社の製品でも冷静に法的式に当てはめて審査します。
当たり前です。
と長々と書いてきましたがいかがでしたでしょうか。まだまだ言葉が足りない部分もあるとは思いますが、杏野はるな、の意見として書かせていただきました。
何度も言うようですが、最後に大事なのはユーザーです。ユーザーに本当の意味で良い作品を提供するのが未来のゲーム業界につながります。それだけは間違いありません。
本当に面白いゲームがこういう審査が壁になってしまって世に出ないなんてやっぱり悲しいですもの。
杏野はるなツイッターではこういった問題もみなさまとお話ししています。
是非ご感想、ご意見くださいませ!
https://twitter.com/annoharuna
ゲームソムリエール 杏野はるな
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