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【戦後70年の証言】「戦死した日本兵のためお役に…」ビスマーク諸島戦没者遺骨収集へ 父戦死、京都・綾部市の熊内洋子さん

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【戦後70年の証言】
「戦死した日本兵のためお役に…」ビスマーク諸島戦没者遺骨収集へ 父戦死、京都・綾部市の熊内洋子さん

「少しでも戦没者遺骨の収集に役立ちたい」と話す熊内洋子さん=京都府綾部市

 同派遣団への参加を思い立ったのは、2年前に綾部市で開かれた戦没者慰霊式典のとき。遺族会の代表として追悼の辞を読み、「私たち遺族もだんだんと高齢化し、残された時間は少ない。日本兵の遺骨を少しでも早く日本に持ち帰りたい」という思いを強くしたという。

 父親の川北春夫さんは、当時の中上林村(現・綾部市)から出征。「詳しいことは分からないが、昭和19年にブーゲンビル島で亡くなった。陸軍兵長だったらしい」。当時春夫さんは36歳。洋子さんは2歳で「父のことはよく覚えていない」。戦後、近所の人から父親の写真をもらい、今でもお守り代わりとして大切に持ち歩いている。

 「私自身、亡くなった父親の倍ほどの歳まで命を与えてもらい、今になって父親が恋しくなってきた。せめて父が亡くなった場所の近くまで行き、手を合わせたい」

 すでに綾部市の山崎善也市長に出発のあいさつを済ませた。帰国後も市長に面会し、現地の様子を報告する予定。

 「戦後70年経ってもまだ、日本に帰ってこられないたくさんの日本兵がいることを、冷たい土の中に埋もれている遺骨があることを多くの人に知ってもらいたい」

 熊内さんは戦没者遺骨の日本への帰還が進むことを願っている。

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