川崎中１刺殺　上村君、友人にＬＩＮＥで相談「知り合いに殺される」

上村君の遺体が見つかった多摩川河川敷の現場。花を手向け、手を合わせる女子生徒ら Photo By スポニチ

　川崎市川崎区港町の多摩川河川敷で中学１年上村遼太君（１３）＝同区＝の遺体が見つかった殺人、死体遺棄事件で、上村君が今年に入って友人に、年上のグループから暴力を受けていることを打ち明け「知り合いに殺されるかもしれない」と漏らしていたことが２３日、分かった。上村君はグループから抜けたかったが「やめると言ったら暴力も激しくなった」と悩んでいたという。

　上村君の遺体が見つかった多摩川の河川敷には、この日夕方ごろから多くの友人らが献花に訪れた。小学校からの友人で中学１年の女子生徒は先月下旬、通信アプリ「ＬＩＮＥ」で、上村君から昨年１１月から関わるようになった年上のグループとの関係について相談を受けたという。「“知り合いから暴力を受けている”とか“殺される”と書いていた」という。

　暴力は、万引をしろと強要されたのを断ったのがきっかけだったという。上村君は今月２０日午前２時ごろ、死亡したとされる。今年１月から不登校になり、他校の上級生らと一緒にいる姿が目撃されている。今月中旬、グループと一緒にいた上村君が顔などを腫らしていた、との目撃情報もある。現場には花束や水、お菓子の他に、バスケットボールや、人気アニメ「機動戦士ガンダム」のカードなどが供えられた。上村君はバスケットボール部に所属し、友人によると「アニメが好きだった」という。

　上村君が通った中学校はこの日朝、全校集会を開き、教職員と生徒全員で黙とうをささげた。登下校時には職員、保護者らが４０人態勢で通学路に立って見守った。同校は「犯人が逮捕されておらず、当面は同様の措置を続ける」としている。

　上村君の遺体の手のひらには、抵抗した際にできる「防御創」がなかったこともこの日、分かった。遺体の近くで荷物やケーブルを束ねる結束バンドが見つかっており、身動きが取れない状態で首を傷つけられ、殺害された疑いもある。

　また、遺体発見前にぼやがあった現場近くの公園のトイレの個室から、焼け焦げた靴底が見つかった。上村君の遺体は着衣がなく、はだしだった。服とみられる燃えかすも見つかっており、川崎署捜査本部は証拠隠滅のために燃やされた疑いもあるとみて、靴底が上村君のものかどうか調べている。