オランダのSIMカードメーカーGemaltoのコンピュータシステムへの不正侵入が報じられている件をめぐり、日本最大の携帯電話サービス事業者であるNTTドコモは目下、同社の顧客に影響が及んでいないかを調査中という。
米ニュースサイトThe Interceptは2月20日、米国家安全保障局(NSA)と英政府通信本部(GCHQ)がGemaltoのシステムに不正侵入して暗号化キーを盗み出し、世界中の数十億台の携帯電話のセキュリティ設定を解除できる状態にあったと報じた。
The Interceptはこの報道の根拠として、米国の内部告発者エドワード・スノーデン氏が暴露した文書を引用している。
NTTドコモの広報担当者はReutersの問い合わせにメールで応じ、Gemaltoが製造するSIMカードを2001年から使っていることを明らかにした。NTTドコモの携帯電話のうち、どの程度にGemalto製のSIMカードが採用されているかについては返答を得られなかった。
「調査の結果を踏まえ、必要なあらゆる措置を検討する」と同担当者は述べている。
米英情報機関による不正侵入の報道を受けてGemaltoも独自に調査を行っており、2月25日にその結果を発表する予定という。
SIMは「Subscriber Identity Module(加入者識別モジュール)」の略。通信事業者が契約者を識別できるよう、携帯電話の電子IDとしての役割を果たすチップだ。
Gemaltoは欧州や中国のSIMカードメーカーと競合している。Gemaltoは年間に約20億枚のSIMカードを製造しており、同社の製品はVerizon、AT&T、Vodafoneなど多くのキャリアに採用されている。
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