西川農相:疑惑を晴らさぬまま…閣僚がまた一人辞任に

毎日新聞 2015年02月23日 20時39分(最終更新 02月24日 01時05分)

西川公也前農相=国会内で2015年2月23日午後1時16分、小関勉撮影
西川公也前農相=国会内で2015年2月23日午後1時16分、小関勉撮影

 「私がいくら説明しても分からない人は分からない」。西川公也農相が23日夕、取り囲む報道陣にこう告げて辞任した。補助金受給会社から違法性の疑いがある300万円の献金を受け、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の初交渉直前には利害関係のある砂糖業界から100万円の献金を受領。加えて23日の衆院予算委員会では、落選中に同じ補助金受給会社から勤務実態のないまま顧問料を受け取っていたことを明らかにした。数々の疑惑を晴らさぬまま閣僚がまた一人、辞任に追い込まれた。【杉本修作】

 西川氏は23日の衆院予算委で、2009年8月の衆院選で落選した約1年後、栃木県鹿沼市の木材加工会社の顧問となり、顧問料を受領していたことを明らかにした。「落選し、非常に困った状況で経済的に大変な状況が長く続いた。そういう時に『困っているだろうから少しあなたの支援をしたい』との話を頂いた」と説明。質問者の後藤祐一衆院議員(民主)から時期や報酬、職務内容を問われると「精査して報告する」と答えるにとどまった。

 だが、職務内容について再度聞かれ「(社長から)私は何も仕事は頼まない、あんたは再起に向かって一生懸命働け、と話された」と答弁。後藤氏が「ということは実質的な仕事をせずに収入を得たのか」とただし、大島理森委員長が「しっかり精査して報告すると(西川氏自身が)言っているのだから、そういうことを踏まえて答弁を」と西川氏の発言にクギを刺す場面もあった。

 それでも西川氏は「社長からは、これまで地元のために尽くしてきたのだから支援してやるよと言われた。あなたは次の目標に向かって態勢をたて直してほしいと。(社長の)当社に対しては、時々社員らと意見交換してくれれば、何ら経営上の相談はしませんと言われておった。こういうことで何も経営上の問題について頼まれることはありませんでした」と重ねて答弁。その後、安倍晋三首相から「農相続投」の答弁は聞かれなかった。

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