西川農相辞任:「説明責任果たせ」野党反発し予算委空転

毎日新聞 2015年02月24日 12時13分(最終更新 02月24日 13時17分)

民主党代議士会で今後の国会対応の説明を聞く(右から)岡田克也代表、長妻昭代表代行、枝野幸男幹事長、細野豪志政調会長=国会内で2015年2月24日、藤井太郎撮影
民主党代議士会で今後の国会対応の説明を聞く(右から)岡田克也代表、長妻昭代表代行、枝野幸男幹事長、細野豪志政調会長=国会内で2015年2月24日、藤井太郎撮影

 西川公也農相(72)の辞任を受け、民主党など野党各党は24日午前、「安倍晋三首相の任命責任をただす必要がある。何もなかったかのように衆院予算委員会を進めることにはならない」などと反発を強め、同日予定していた衆院予算委員会は空転、開催のめどが立たない状況になっている。政府・与党は混乱を早期に収拾したい考えだが、来年度予算案を審議する衆院予算委の日程は窮屈になり、年度内成立は一層厳しくなった。

 菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で「西川氏が辞任した後、間髪入れずに経験豊かな即戦力の林芳正氏を農相にお願いした。政策の遅滞はない」と述べ、政権運営への影響は限定的との考えを強調。来年度予算案について「年度内成立に向けて最善の努力を続けてほしい」と求めた。

 一方、民主党、維新の党、共産党など野党5党は同日午前、国対委員長会談を国会内で開き、同日の衆院予算委員会の一般質疑には応じられないとの認識で一致。23日まで計3日間行われた首相と全閣僚が出席する衆院予算委の基本的質疑をやり直すよう求める方針を確認した。また、西川氏が顧問に就任した企業や在任期間、報酬額に関する資料の提出も要求することにした。

 その後、与野党の国対委員長が会談。自民党の佐藤勉国対委員長は「こういった事態になり、大変申し訳ない」と陳謝したうえで「資料提出も含め、要求をしっかり受け止めたい」と述べたが、接点は見いだせなかった。預金保険機構などの人事に同意を求める衆院本会議も予定の午後0時10分には開かれなかった。

 西川氏の農相辞任をめぐっては閣僚からも発言が相次ぎ、下村博文文部科学相は閣議後の記者会見で「安倍政権にとって大変なダメージだ。今まで以上に国民の信頼回復に向けた取り組みをする必要があることを肝に銘じたい」と述べた。石破茂地方創生担当相は、昨秋以降、閣僚3人が辞任したことについて「決していいことではない。閣僚の任にある者はそれだけ責任は重いのだということを、私も含めてよく自重自戒しなければいけない」と語った。

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