尼崎市の吉野家で牛丼を顔面に押しつけ逮捕

　兵庫県尼崎市の牛丼チェーン店「吉野家五合橋線尾浜店」で２３日午前１時４５分ごろ、酒に酔った客の男が、運ばれてきた「牛カルビ丼大盛り」（６９０円）を、アルバイトの男性店員（４１）の顔に押しつけた。男性店員の１１０番で駆けつけた尼崎北署員らが、暴行の現行犯で男を逮捕した。

　逮捕されたのは同店近くに住む塗装業の柳田誠容疑者（３６）で、午前１時４０分ごろに友人２人と来店。自分が注文したみそ汁が友人の前に出されたことに腹を立て、手を付ける前のカルビ丼の中身を、丼ごと男性店員の顔に押しつけたという。

　署員が駆けつけた当初、柳田容疑者は容疑を否認。犯行に使われた丼も片づけられていたが、防犯カメラには柳田容疑者がカウンター越しに右手で店員の肩をつかみ、左手で丼を押しつける様子が写っていた。来店前に別の場所で友人２人と酒を飲んでいたとみられ、呼気からは０・２ミリグラムのアルコールが検出された。

　柳田容疑者は逮捕後、落ち着きを取り戻し、「店員の態度が気に入らなかった」と、容疑を認めた。店員にけがはなかった。反省の様子もみせているという。同署では「立腹して物を壊すような犯行はよくあるが、顔に押しつけるようなやり方は、あまり例がない」としている。