今年から私がオーナー兼社長を務めるFC今治の新体制発表記者会見を23日に愛媛県今治市で行った。おかげさまをもちまして、スタッフには素晴らしい人材が集まってくれ、スポンサー集めの方も順調に進んでいる。チームも4月6日の四国リーグの開幕に向けて練習に取り組んでくれている。
■アジア杯で見えた日本代表の懸念材料
FC今治の話をする前に、時節柄、1月のアジアカップ準々決勝でアラブ首長国連邦(UAE)にPK戦で敗れた日本代表の話を少ししてみる。
大会を通じて試合の内容は悪くなかったと思う。アギーレ氏にとって人選や戦術をがらりと変えるには時間がなさすぎたし、前任のザッケローニ氏のやり方を踏襲すべきところは踏襲していたのは賢明だった。本大会出場16チームの中で日本、韓国、オーストラリアの力はやはりアタマ一つ上だったように思う。
そんな日本がベスト4を前に敗れた。見ていて感じたのは、いろいろな条件がぴたりとはまったときの日本はすごい力を発揮するのだけれど、その条件が微妙に狂い出してうまくいかなくなったときは落ち幅が大きくなることだった。この傾向はブラジルのワールドカップ(W杯)でも見られたように思う。
1次リーグ最終戦のヨルダン戦で決めた本田のゴール。岡崎がニアゾーンにうまく入って左足で放ったシュートのこぼれ球を逆サイドの本田が詰めて入れたものだ。あの場面、岡崎がニアゾーンに入ったところで本田はもう走り出していた。あれは岡崎がシュートを打たずにラストパスを選んでも本田はバシッと合わせて入れたに違いない。ニアゾーンからの折り返しを決めるパターンは日本のようなチームが点を取るにはいい形だと思う。
同じようなシーンが実はUAE戦にもあった。ここでも岡崎はシュートを選んで今度は上に浮かしてしまうのだが、逆サイドを見ると本田は走っていなかった。
日本ではゴールが決まらない度に「決定力不足」とあげつらい「真のストライカーがいない」みたいな話になる。35本のシュートを放ちながら1点しか取れなかったUAE戦はその典型だと。しかし、ストライカーがいないならいないなりに得点を取る方法を編み出さないと、いつまでたっても取れないことになる。
■「なぜ敗れたか」の分析こそ不可欠
私が挙げた「ニアゾーンからの折り返し」はその一例にすぎない。あそこに入り込んだら必ず逆サイドに誰かが詰める。詰めるときも詰めないときも「たまたま」ではなくて。そういう認識をチーム全員が共有し、つくっていくことで「決定力」は上げていけると思っている。
八百長疑惑を追及するスペイン検察の告発を裁判所が受理したことで、日本サッカー協会はアギーレ監督との契約を解除した。アジアカップの後、メディアの話題はアギーレ氏の八百長疑惑、進退、後任探しと転々としたけれど、現場にいた人間の感覚からすると、そんなことより「どうして負けたのか」という分析を我々サッカー人がしなくてはいけない。
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