大阪都構想:協定書案提出 論戦は最終局面に

毎日新聞 2015年02月23日 23時33分

 大阪市を解体・再編する大阪都構想の協定書(設計図)議案が23日、大阪府議会に提出され、松井一郎知事(大阪維新の会幹事長)と橋下徹・大阪市長(維新代表)は論戦を挑む姿勢を示した。野党も5月17日実施見通しの住民投票で反対多数に追い込むため、問題点を追及する構えだ。議案は維新と公明党の賛成多数で可決が確実だが、24日提案の大阪市議会とともに、論戦は最終局面に入った。

 「今議会で議論いただき、議決いただけたら、究極の民主主義である住民投票で直接判断いただきたい」。この日開会した府議会本会議で、松井知事が呼びかけた。約25分の府政運営方針説明の中、都構想の意義を語る部分は特に力を込めた。

 今回とほぼ同内容の議案を否決した昨年10月の府・市両議会は、賛成、反対の議論が平行線で終わった。25日から代表質問があり、松井知事は与野党に「具体的な中身を出して質問をお願いしたい」と記者団を通じて呼びかけた。

 野党も論戦に備える。自民府議団の花谷充愉幹事長は「維新は『(二重行政の弊害の)解決は都構想しかない』と、話をすり替えている」と指摘。共産府議団の宮原威団長も「市民の福祉を削り、無駄な大型開発を促進するのが都構想だ」と批判する。民主府議団の冨田健治幹事長は「一度否決し、議論は終わっている」と訴える。

 一方、都構想に反対しながら、住民投票に賛成する公明府議団の清水義人幹事長は「協定書に問題があるとの主張は変わらない」としながらも、「議会でどう取り上げるかはこれから考える」と、温度差を見せた。

 橋下市長は23日、市役所で記者団に「問題点があるなら僕にぶつけてほしい。しっかり受けとめ対応策を考える」と、論戦を呼びかけた。【熊谷豪、林由紀子、重石岳史】

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