井上亮
2015年2月23日16時00分
中部電力は、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)3号機の再稼働に向けた新規制基準への適合審査の申請を、4月以降に先送りする方針を固めた。申請済みの4号機や他の原発の審査状況から、安全対策などで3号機でも提出が必要と見込まれる項目が増え、データ解析などに時間がかかるため、目指してきた3月末までの申請を断念する。
中部電は昨年2月、浜岡4号機の適合審査を原子力規制委員会に申請。これまでの審査で、竜巻や外部からの火災への対応などについても安全性を自社で評価した結果の提出を求められている。3号機の審査でも同様の項目が必要になると見込まれるため、3月末までの申請をあきらめ、事故発生の確率分析などのデータをそろえたうえで4月以降の早期申請を目指す。
中部電は昨年10月、再稼働に向けた浜岡原発の安全対策工事の完了を1年延期すると発表。申請先送りの背景には、3号機について2017年9月の工事完了前の再稼働は見込めないため、申請を先送りしても再稼働までの日程に大きな影響がないこともあるとみられる。4号機の審査も他の原発より遅れており、地元の反発も根強いことから、再稼働の時期が見通せない状況が続いている。
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