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愛知あおなみ線SL貸与「今後も困難」 大井川鉄道管理部長に聞く
名古屋市の第三セクター鉄道「あおなみ線」の蒸気機関車(SL)運行構想で、市への車両貸与が困難との方針を明らかにした大井川鉄道(静岡県島田市)の吉田正樹管理部長が二十三日、本紙の電話取材に応じた。名古屋市への協力が困難とした方針は「役員会での決定」と説明。SL貸与は「今後も難しいことは変わらない」と述べた。主なやりとりは次の通り。 −名古屋市とどんなやりとりがあったか。 二〇一四年十一月、名古屋市の担当者が視察に来た。私自身は当時、市から、車両を貸してほしいとは聞いていない。私にとっては突然だが、一五年二月、「大井川鉄道のSLに、あおなみ線に対応する自動列車停止装置(ATS)を設置できるかどうか、技術的調査を一四年度中にしてほしい」という市の要請を社内で検討することになった。十七日の役員会に諮り、調査を断ると決定した。 −断った理由は? 「ライバルを育てるのか」との声が出た。調査に協力し、技術的問題が解決されれば、車両を貸す流れになる。「貸与が既成事実化する」と懸念する声が出た。取引銀行も反対した。河村たかし市長は「年三百日以上の通年運行」と唱えているらしいが、そうなると、なおさら競合関係になる。協力はあり得ない。 −二十一日に本紙の取材に応じた大井川鉄道の広報担当者は、「検討を白紙にした」と説明していた。 そのやりとりは聞いた。ただ、二十二日の中日新聞報道を読んだ役員から「白紙という表現は本来、合意したことをなかったことにする場合に使う。今回は何ら合意していないのに」という不満の声が出た。「白紙」という報道に今さら、どうこう言わないが。 −一四年度中の調査は断ったが、一五年度以降に協力する可能性はあるのか。 いったん役員会で決めたこと。現時点では、今後も難しいとしか言えない。それに、四台ある現役のSLを貸すのは無理。もし貸せるとすれば、大井川鉄道新金谷駅で屋外展示している「C12」を修理し、動かせる状態になった場合のみだ。最後に運行したのは〇五年。ボイラー取り換えなどで修理費は億単位になるだろうし、誰が負担するのかという問題も出てくる。修理しても、走れるかどうかも分からない。 (丸田稔之) ◆河村市長「科学館展示車両使ってもいい」大井川鉄道から蒸気機関車(SL)を借りることが困難になったことに、河村たかし市長は二十三日、記者団に「他の事業者から借りる方法もあるし、(市科学館に展示してある)市所有のB6型SLを使ってもいい」と語った。 B6型SLは一九〇四(明治三十七)年に製造された。旧国鉄の路線などを走り、六八年に引退。四十年以上、走っていないため、支障なく営業運転できるかは分からない。 河村市長は「B6を直すのは可能だ。部品がないのなら作ればいい。この間まで走っとった」と話した。記者団から「この間、と言うには遠すぎないか」と問われると、「何を言っとるの。三十年前、四十年前の車なんて、いくらでも走っとるじゃないですか」と反論した。 (北村剛史) <名古屋市のSL運行構想>河村たかし市長が提唱。2013年2月の2日間、あおなみ線(名古屋−金城ふ頭)の一部区間などで実験運行した。市は16年度に大井川鉄道から車両を借りて2日間程度、あおなみ線全線で臨時運行しようと、レール改修の設計費など2000万円を15年度当初予算案に盛り込んだ。予算案は今月9日に発表されたが、大井川鉄道が車両貸与は困難との方針を固めたことを22日、本紙が報じた。 PR情報
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