読売新聞は2月19日付朝刊で「カジノ候補地 横浜・大阪」と見出しをつけ、政府がカジノを中核とする統合型リゾート(IR)について、2020年の東京五輪が開催されるまでに横浜市と大阪市で開業を目指す方針を固めたと報じた。これに対し、菅義偉官房長官は同日午前の会見で「そういう事実は全くありません」と否定している。
記事には、情報源は全く書かれておらず、官房長官も否定していることから、事実と異なる可能性がある。
IRを実現するにはカジノを解禁する法律が必要だが、記事本文には今国会に提出される法案は「公明党や野党に慎重な声が強く、成立は見通せない状況」と指摘している。また、「今回の先行開業候補地の方針決定は、法案が遅れている中で、横浜、大阪両市との事前の調整を進めやすくする狙いがある」と解説。「法案が今国会に成立した場合でも、20年時点では、部分開業にとどまりそうだ」とも書かれている。
読売新聞は菅官房長官の否定は続報で伝えておらず、他の主要紙も23日現在、後追い報道していない。
IRをめぐっては、推進する議員連盟が2013年、国会に議員立法として「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」を提出している。
読売新聞2015年2月19日付朝刊2面 ※ニュースサイトでも同じ記事あり
菅義偉官房長官記者会見(2015年2月19日午前)
Q.一部報道で、政府が、カジノを中核とした統合型リゾートについて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに横浜と大阪の2カ所で開業することを目指していく方針を固めたとありましたが、事実関係を。
A.そういう報道は私も承知してますけども、そうした事実は全くありません。
首相官邸ホームページ
- (初稿:2015年2月23日 17:50)