戦争はいつになっても絶えない。
アメリカとロシアが裏に回って戦争ばかり。
世界に平和を求めるのか、それとも平和でない世の中を前提にした世の中を想定するのか。
どうも、ぬーん(@idnoon8)です。
アメリカへ来ていると、本当に日本人というのは気を使うんだなーというのを実感します。さて、今回はそうした国柄というものを指標で表したデータについて紹介します。
Hofstede's Value Dimensions
Hofstede(ホフステード)の価値観の指標という研究がありまして、それに付随してそれぞれの国の各指標について今回は考えてみたいと思います。
今回、対象とする価値観の指標は以下の6つ。
- Power Distance(権力格差)
- Individualism(個人主義)
- Masculinity(男性らしさ)
- Uncertainly Avoidance(不確実性への対処)
- Long Term Orientation(長期的な考え)
- Indulgence(寛大さ)
それぞれ日本語になおして日本の価値観について述べた後、世界の指標はどうなっているのかをみてみたいと思います。
今回参照にするサイトはこちら。
Japan - Geert Hofstede
上記のサイトはかなり面白いので、今回の解説の後にでも見て下さい。
まず、日本の指標は以下の通りになっています。
Power Distance(権力格差)
定義としては、制度における身分格差があるかどうかです。
日本は、54というボーダーライン的スコアを出していますので、どっちつかずといったところでしょうか。
日本の意思決定は、東京にある本社のトップにある事が多いです。なので、商談をしにアメリカへ日本人がやってきても「重要な話なので上と相談させて下さい」と日本へその話を持ち帰ります。アメリカ人としては、「意思決定のできるやつがここに来てないのか?」と驚いてしまう。というのは有名な話ですよね。笑
ということで、誰が意思決定するかというのは上の人間に託されたものなので、下っ端がどうこうできる問題ではありません。これは日本人としても納得できる話でしょう。
ただ、そうした上の役職につくというのは、誰でも平等に与えられているのが日本です。実力社会より、年功序列のイメージが強いですが、確かに、東京大学へ入る事ができるのは誰でも平等に与えられた権利です。
そこから勤勉に取り組めば、昇格だってします。
こうしたバランスより、日本のスコアは高くもなく低くもないという結果です。
日本は他のアジアに比べて、階級に基づかない社会らしいです。確かに、肩書きは重要ですが、その人のヒエラルキーというか階級って日本ではあまり関係ないですよね。
ちなみに中国のスコアは80です。中国はどこの地域の人間かによって、就職にも影響してきます。僕も中国人の友達がいますのでその話はよくしますが、西と東の差は埋まる事のない問題のように思えます。
Individualism(個人主義と集団主義)
個を重んじるのか。それとも集団を重んじるのか。
日本人なら、誰しも日本は「集団を重んじる国」だと思うはず。
KYという言葉があるように、集団の和を乱す「空気の読めない」発言は慎まなくてはなりません。笑 誰もが日本=集団主義というのはイメージできるかと思います。
日本のスコアは46と、中国の20、韓国の18に比べると高いです。逆にアメリカは90オーバーなので、個人主義の国なんだと改めて実感できます。
中国と韓国はもっと集団主義なところがあるのは、驚きました。自分の中では、中国人や韓国人はセルフィッシュ(自己中心)なイメージが強かったので。
日本のスコアが少し高めなのも、日本の集団主義というのは企業とか村といった箱の中では活かされていますが、その箱を出てしまうと「自己責任」という言葉を使ってしまうように、意外と個人的な行動をとるのでしょうね。
先日のISISで日本人2人が殺害された際も「自己責任論」が出ていましたが、それに対して中国のネットでは恐ろしい国だと思った方もおられたようです。そう考えれば、日本のスコアが中国や韓国よりも高めなのは納得できます。
ムラの中では安心できる日本ですが、少し和を乱すと「村八分」
僕は日本の怖さはここにあると思っています。
日本の民俗学の基礎。柳田国男といったらこれですね。
Masculinity(男性原理)
その社会は、男性を基にしているのかそれとも女性なのか。
日本のスコアは95と、世界でもずば抜けて男性社会であることが分かります。
最近では女性参画も普及してきており、昔程ではないでしょう。しかし、それでも日本の国会議員の女性の数、企業の役員における女性登用の比率を見てみると、まだまだ男性原理な部分が根強く残っています。日本から女性の総理大臣が出てくるのはいつになるのでしょう*1。
また、この男性原理というのは、男性主導という意味だけでなく、男性的な考えなのか女性的な考えなのかという所にも通じます。
男性原理=競争社会ですので、ひしひしと心を削りながらライバルに勝っていくという感じです。韓国では39というスコアから、とても女性的な部分があるようです。できるだけ、ひがみなく話し合いで解決をするというように。
Uncertainly Avoidance(不確実性への対処)
不確実な事にどれだけ対処できるか?という指標です。
日本は92。かなり高いです。
地震や津波、台風に火山噴火、土砂災害など、これでもかというぐらいの自然災害。
こんなに自然災害が身近な国は日本ぐらいでしょう。だからこそ、危険への備えは他国よりも十分に敏感です。地震の為に緊急事態セットなるものを用意しているのは日本人が多いでしょうね。
「備えあれば憂いなし」まさにこの言葉に尽きます。
極寒の地、ロシアのスコアも95と高いです。寒い地だからスコアが高いというわけではなく、何かしらの状況に常に怯えている性格らしく、そのために官僚政治は複雑なものになっているらしいです。
そういえば、インド人の僕の友達ですが、友達からスターバックスのギフトカードを貰うと速攻で使い果たしていました。意味が分かりませんでした。僕なら、自分が飲みたい時に自分のペースで使うので、できればキープしておきたい性格です。
彼の場合は、「あるなら使っちゃえ」という性格らしく、すぐに使い果たしてました。そんな彼は僕に300ドルを貸してくれと言ってきましたが、ノーと言うのに1秒も掛かりませんでしたね。そんなインドのスコアは日本の半分以下。理解できないのも当然です。笑
あと、リスク回避の性格が強いとも言えるので、保守的になっちゃうというのもまぁ理解できますね。
Long Term Orientation(長期的な考え)
長期的目線でみれるかどうか。
スコアが高いほど、長期的目線でみることが多いようです。日本のスコアは88とこれまた高い数字になっています。
解説において、日本は研究開発にも費用を回し、次世代の為の会社経営をすることから短期的な目線で経営をしないような印象を受けます。ただ、株式会社たるもの短期的でもいいのでリスクをとらずに目先の利益を確保したいものですよね。ほとんどの会社って株主を気にするものだと思います。
ドワンゴのニコニコ超会議なんて赤字だだ漏れなのにも関わらず、株主に一定の理解もあるようなので、こうした企業があるというのも長期的目線で見る事ができるからでしょうか。
アメリカのスコアは26とかなり低い数値になっています。企業の利益もとにかく短期間で成果を出す事が求められます。これが影響して、個人主義のアメリカでは、早く成果を出せという責任にも繋がるようです。これもこれでストレスです。
Indulgence(心の寛大さ)
欲望だとか衝動などの指標です。
日本のスコアは42と低い方です。
これはつまり自制の精神があるということです。懐疑的、悲観的傾向にあるようです。
遊ぶときは遊ぶ。働くときは働く。とは言うものの、意外とこれって日本人はできていないですよね。アメリカは68というスコアから、この境目はきちんとあるようです。実際に、プライベートと仕事を切り離して考えています。
「何事も我慢」という言葉が美徳とされがちな日本では、確かに節度ある行動や派手な行動は許されませんよね。また、転職=悪いイメージがあるのも日本らしいです。とりあえず我慢してやってみなさい。これがブラック企業の温床になっているのかもしれません。
なぜか楽な道を選べないですよね。
本当に楽な道で良いのだろうか?自分の為には、もっと厳しい場所を選んだ方が良いのではないか?これって結構思うんじゃないでしょうか?僕はいつも思ってしまいます。。。
アメリカとロシア
これらを踏まえて、世界で仲の悪い2国を見てみましょう。
左がアメリカ、右がロシアを表しています。
図の解説は不要でしょう。
面白いほど(と言っていいのか分かりませんが)、真逆です。
アメリカの価値観はロシアは分からないでしょうし、ロシアの価値観もアメリカは分からないはず。これじゃあどう話し合っても折り合いがつかないはずです。
このギャップをどのように埋めればよいと思いますか?
それともこのギャップは仕方の無いことと見て話を進めますか?
どちらも難しいですよね。テロ組織の価値観なんて僕には分からないですし、理解したくもありません。ただ、あちらはあちらで自分たちが正義だと思ってる人間です。話し合いでどうにもできないならどうするんでしょう?戦争ですか?平和条約ですか?
全くもって自分には分かりません。
最後に
最後になりますが、この指標はあくまでその国の価値観をおおまかに表したものです。それらが個人に全て還元されるわけではありません。色々な価値観を持った人がその国には存在します。
ただ、こうした相手の国の価値観を理解できるというのは重要です。それはビジネスにも通じる話です。はっきりと物事を言った方が良い国もあれば、遠回しに言った方が良い国もあります。
こうした国の価値観を少しでも理解することができれば、相手との軋轢を生まずに済むと僕は思います。ま、それでもどうしてもカッとしてしまうこともあるんですがね。笑
ということで、「世界は分かりあえない。ただ、相手を知るという事は大事である」というメッセージを込めて、ここで終わりたいと思います。
では!
*1:別に無理して女性を登用しろという意味ではなく、平等に機会があれば有能な女性が総理大臣になってもおかしくはないよね。という話です。次の総理大臣は1/2で女性であるイメージがまだできません。