2月22日のラジオ『柳原可奈子のワンダフルナイト』に、マツコ・デラックスがゲスト出演。芸能界で一二を争うハロプロ芸人として、普段プライベートで開催されているという「ハロプロ緊急会議」が電波に乗って繰り広げられた。
番組中、サプライズで番組につんく♂からの手紙が届いた。この手紙が、MCの2人へのメッセージを通り越して、つんく♂が過去から現在に至るまで、ハロプロをどういう思いでプロデュースしてきたか、その信念と自負が忍ぶつもりもなく噴出している興味深い内容だったので、ここに紹介したい。
柳原可奈子のワンダフルナイト様へ。
いつもライブに来てくれてありがとう、つんく♂です。
色々ご心配をお掛けしましたが、既に私は元気にやっております。
この間もライブ現場では柳原可奈子ちゃんには会ったもんね。
ということで、ハロプロの緊急会議をしてくれてるということで、嬉しいです。僕が手がけるハロープロジェクトは、一見よくあるJ-POPと見せかけておいて、中身は音楽ファンの魂を掴んで離さない、マニアックな要素にあると思っています。
この、本気な部分がなくなったら、ただのその辺のアイドルサウンドと同じ。
音楽的に何か濃い部分が、今のハロプロオタクの皆さんの心に知らぬ間にある種のポイズン状態として染みこんでおり、禁断症状が現れ、また聞きたくなる、見たくなる、現場に行きたくなる、というような症状に出ているんだと思います。ラーメンでいう“秘伝のタレ”がつんくイズム。
このタレ部分を元に、いろんなジャンルの音楽を投影し、個性豊かなハロープロジェクトのメンバーが歌うことによって、パッと華やかな見栄えになって、老若男女受け入れやすい、そういうサウンドになってるんじゃないかなって思います。シャ乱Qの時は、マニアックな行列のできる新宿裏にあるこだわり屋台ラーメン屋だったのが、その秘伝のタレを使って、可愛くおしゃれなレストラン街の色んなレシピを使い、可愛い門構えのお店になって、誰もが入りやすいお店になった。でも食べてみると、単なるフードコートの食事とは違って、病み付きになる、みたいな。分かっていただけましたか?
マツコさんに、「つんく♂はなんでラーメンに例えるの」って突っ込まれてると思いますが
(あら何で分かったの!?)(ハハハハ!)
まあそれもアリということで。今後もよろしくお願いいたします。
というか、お二人は何きっかけでハロープロジェクトが気になるのか、そして、今は何がキーポイントだと感じているのか。そこも気になるよねー。
ハロプロとは一体何なのか?これまで古今東西あらゆる人々がこの命題に挑戦してきたが(実際このラジオ番組でも意見交換されていたが)、それに対する答えとして、ハロプロを立ち上げ、ここまで推進してきたプロデューサー・つんく♂の公式見解は、正解の一つに最も近いのではないかと思う。番組へのメッセージで始まったのに、「僕が出がけるハロープロジェクトは」と持論を展開するドヤ感、「本気な部分がなくなったら、ただのその辺のアイドルサウンドと同じ」とチラリと覗かせる攻撃性。つんく♂さん、最高です!
この手紙が読まれる前に、たまたまマツコ・デラックスもハロプロを「毒がある」と表現していたが、つんく♂も「ある種のポイズン」と評しており、興味深い符号となった。(筆者は1年前に流行った「○○依存の悪循環」を思い出した。)
余談だがこの「本気な部分」「マニアックな部分」「秘伝のタレ」といろんな表現で語られているのは、要するに「つんく♂イズム」、つんく♂成分なわけだが、多作で知られたつんく♂も病気療養後はそのプロデュースの対象範囲を狭めており、今後つんく♂成分が薄まっていく可能性もある。
つんく♂がプロデュースをしないハロプロ純正楽曲として初めてリリースされたアンジュルム『大器晩成/乙女の逆襲』は、幸い楽曲にもメンバーのパフォーマンスにもプロモーションにも恵まれた。音楽的にマニアックな感じもあり、ハロプロ・ヲタクにも好評だったようで、一安心というところだ。
今後のハロプロは、この「のれん分け」状態になったモーニング娘。’15以外の各グループが、どのような方向でプロデュースされていくかに命運がかかっているといえよう。
ちなみに柳原可奈子の「ハロプロが気になったきっかけ」は、「ファンとしてはモーニング娘。は最初から好きだったんだけど、ヲタになったのは6期。握手会とか現場に行くようになったのはBerryz。」とのことだった。
しょっぱいね-つんく♂
手紙の朗読中のBGMは『しょっぱいね』
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