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【野口裕之の軍事情勢】中国の野望をくじく日本と台湾

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【野口裕之の軍事情勢】
中国の野望をくじく日本と台湾

中国が意識する「九つの出口」=2015年2月14日現在

 フォーラムは2013年、台湾で地元研究機関とセミナーを実施。先方は席上、台湾が中国に呑み込まれれば日本も取り返しの付かない危機を招くと、強く警告したという。すなわち-

 《中国がロシアから導入した射程400キロのミサイルを台北に配置したなら、中国が設定した防衛識別圏の半分はカバーでき、宮古島以西の先島諸島が効力圏下に置かれる。台湾東岸は水深が深いため、中国潜水艦はここを基地として安全に太平洋に出撃することが可能となる》

 台湾の空軍基地・軍港が中国軍の手に落ちれば、西太平洋で航空・海上優勢を獲得する至上の根拠地と化し、列島線の戦況は中国軍の圧倒的有利へと大逆転する。結果、南西諸島に住む同胞155万人の生命は危うくなり、第一列島線を突破されれば日本の政治・経済中枢=太平洋ベルト地帯の生殺与奪すら直接中国が握る事態に陥る。

過敏な痛点の戦略的価値

 「米国は台湾関係法に基づく台湾防衛責任が有り、約束もしている」

 米海軍制服組トップの作戦部長ジョナサン・グリナート大将(61)は2014年11月、こう明言した。台湾関係法は、米国が台湾の安全保障に責任を負い、共同訓練を除く安全保障協力をうたう。現役軍人の高位相互交流も関係法の恩恵故だ。

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