昨年、東京国立近代美術館フィルムセンターで大森一樹監督の自薦回顧上映会があり、毎日通っていました。
毎回上映前に監督御自身のちょっとした解説があり、楽しみのひとつでした。
『風の歌を聴け』の上映前の解説で、大森監督の中学時代のエピソードが紹介されました。村上さんは大森監督と同じ中学出身で、監督の先輩にあたるそうですね。
監督が中学時代、仲間と小説の同人誌を作った時。それを読んだ国語の先生から、「お前ら全然駄目だ。去年卒業した村上という生徒がいた。彼は凄い文章を書いたもんだ」という様な事を言われたそうです。
村上さん、中学時代からすでに伝説の人だったんです。そんな風に言われていたのは御存知ですか?
私は、「ああ、やはり才能というものは持って生まれたもので、凄い人は幼い頃から凄いんだな」と思いました。
褒めたのでなんか下さい(冗談です。エピソードは本当に監督がお話したものです)。
(クライフ、男性、43歳)
僕も大森くんからその話は直接聞きました。で、「僕らが入ったとき、村上さんは既にうちの学校では伝説的だったんですよ」と言われました。でも僕としては「なんのこっちゃ?」という感じでした。僕はそんな目立つ人間でもなかったと思うし、中学校にいるあいだにそんなたいした文章を書いた覚えもなかったんだけど、でもなんかそういう評判になっていたみたいですね。なんでだろう? 不思議です。
村上春樹拝