Updated: Tokyo  2015/02/24 00:46  |  New York  2015/02/23 10:46  |  London  2015/02/23 15:46
 

現金ため込む米銀、米国債に群がる-景気堅調でも融資に回らず

Share Google チェック

  (ブルームバーグ):超安全な債券に群がっている米国の銀行は、米経済の特別な秘密でも把握しているのだろうか。

経済成長は順調で雇用情勢は数十年で最も力強く、家計も2011年以降で最も上向いている。しかしバンク・オブ・アメリカ(BOA)をはじめとする銀行は急速に膨らむ預金を全て融資に回す代わりに、米国債や連邦機関債に注ぎ込んでいる。銀行業界の保有は2兆ドル(約238兆円)を超える。

米国債の保有が増えている背景には、大恐慌以来最悪の金融危機をきっかけにより質の高い資産の保有が規則で銀行に義務付けられたことがある。その一方で、借り手の動きも反映している。特に住宅バブル崩壊で痛手を負った消費者は高額品購入で債務を抱え込むのではなく、なお家計の立て直しを進めている。こうした状況を見ると、好調なデータが示唆するほど米景気回復は堅調でないのかもしれない。

ブリーン・キャピタルのマクロ戦略責任者、ピーター・チアー氏(ニューヨーク在勤)は「銀行には相当な現金がある。融資基準は緩和しているが、銀行にとっては米国債を保有している方がまだ簡単だ」と述べた。

米連邦準備制度が利上げに向かう中で、米国債が買われることは利回りの急上昇を抑える一助となりそうだ。ただ融資需要をめぐる状況も年内の利上げ時期に影響する。先週公表された1月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、景気回復を損なうリスクの回避に向け金利をより長い期間、低水準に維持することを多くの政策当局者が支持した。

先月1.15%まで低下した米5年国債利回りは、雇用増や賃上げで米成長見通しが押し上げられる状況にあって上昇している。先週は1.59%で終了した。

原題:BofA Leads Charge Into Bonds as Banks Build $2 Trillion Hoard(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Liz Capo McCormick emccormick7@bloomberg.net;ニューヨーク Daniel Kruger dkruger1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Dave Liedtka dliedtka@bloomberg.net Michael Tsang

更新日時: 2015/02/23 10:23 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。