2015年02月23日

対侍ジャパン ヨーロッパ代表選手名鑑

きっと需要があるだろうと信じて書きました。参考になれば幸いです。

東京五輪に向けた野球の国際性のアピールや、興行的な意味合いも強い試合かもしれませんが、あくまで「強化試合」としてどういう意味があるか考えてみたいと思います。

今回ボールもマウンドも日本仕様なので、昨秋の日米野球と反対に投手より野手の方が国際試合に向けて得られる収穫が多い試合なんじゃないかなー、という印象です。

「初見で『日本人と間合いも球筋も違う欧米の投手』に対応する」ってのが日本の打者って苦手じゃないですか。 日本のプロ野球に助っ人で来ても活躍できそうにないような実績のピッチャーに、国際試合じゃコロっと抑えられることがある。 初めてのピッチャーを打つ難しさと言うのは全世界共通だと思いますが、メジャーやマイナーでやってる選手は球団数も多く、選手の入れ替わりも激しい中でやっているわけで。 同じ投手と何回も対戦する仕組みに慣れているアジアのプロ野球選手はそこらへんがハンデになるんでしょうか。ましてや、今回はデータそのものも少ない。

日本人にも同じような球速と同じような球速と球種の投手はいても、何か微妙に球筋やリズムが違うんじゃないかなと思います。

WBCの準決勝で苦戦したプエルトリコの投手に近いタイプの投手も入ってます。もちろん、本家より質は落ちますけど。 プエルトリコの先発だったサンティアゴに近いタイプで言えばスペインのレスリー・ナカー。ボールを動かしてくるタイプ。ブラジル戦で苦戦したムリーヨ・ゴウベアなんかもこのタイプでしたかね。

あとはセデーニョやJCロメロといった左サイドのピッチャーにくるくる回っていた印象ですが、こちらのタイプはドイツのソマーやイタリアのエスカローナといったピッチャーが入ってます。彼らほど腕は下がってませんが、左打者からすれば嫌な角度から出てくるタイプであることは間違いないと思います。 これはもう、シドニーのクデソン(韓国)、アテネのウィリアムス(オーストラリア)の時代から続く日本のトラウマですからね・・・。 もちろん、日本のプロ野球にも彼ら(ソマーやエスカローナ)のタイプの上位互換のような人はたくさんいますが、あくまで初見でこういうピッチャーを打つ予行演習ですね。間合いや球筋まで一発目で合わせるという。

ただ、今回使用球がミズノ統一球なんですね。 もちろん、日本のピッチャーがメジャー球を使うのは時期的にどう考えても無理があるんですが、せめて相手の守りの時だけでもメジャー球にしてもらったほうが本当の意味では強化になったんじゃないかなと思います。 ヤクルトをクビなったフェルナンデス(ブラジル)が日本相手にメジャー球で魔法がかかったような投球をしてたのが印象深くてですね・・。もちろん、アレはそれだけが理由じゃなかったんでしょうけど、ツーシーム系のボールの威力は半減するのは間違いないと思います。 まあここに関してはWBSC公認の試合という位置づけもあって統一球以外を使うのは事情的に難しかったんでしょう。攻守で違うボールを使うというのも公平性に欠けますし、マエストリやバンデンハークもいます。

一方、欧州選抜の攻めに関して。 多くの選手がヨーロッパのリーグでプレーしてたりしてますが、みなさん「自分のスイングで捕らえられたとき」はかなり強い打球を飛ばします。もちろん、「自分のスイングで捕らえる」確率に関してはトップレベルのプロ野球選手と比べると見劣りするのは間違いないですが。 一応AJとかもいますけど、どう考えても昨秋のMLB選抜打線よりは見劣りします。だからこその怖さがあったりする。ガンガン連打を打たれることはそんなにないにせよ、気を抜いたところで一発長打が出る怖さみたいなやつです。相手を舐めるなんてことはプロの選手である以上ないと思いますが、侍ジャパンも人間です。MLBオールスターズとやるときとまったく同じような緊張感やテンションでは投げられないはず。そこらへんの隙を突いて手痛い一打を浴びるようなことが、国際試合ではよくあります。僕は未だにロッテの大谷智久さんがクロアチアの謎の打者に同点3ランホームランを打たれたのが忘れられません。各選手の「ツボ」とかボールの狙い方もデータが少ない上に、日本の選手とは違いますからそこも難しい部分でしょうか。「えっそこ地雷だったの!?(ボッカーン」みたいなことがあります。もちろん、本来の投球ができてない投手相手になら畳み掛けるように攻められる打力もあります。

あとはまあ、日米野球と違ってこちらが胸を貸す立場になるわけですから、日本が格上になるわけで、そういった見方をされる中で戦う難しさみたいなのもあるんじゃないでしょうかね。

最後にもう一つ、それは「距離感」について。 前回WBCのブラジル戦もそうでしたし、もっと昔にさかのぼれば初代WBCの韓国もそうでした。 世界の野球との距離感を見誤ってしまうことが僕たちはよくあります。06WBCの時なんて戦う前までは「格下」という風潮の相手でしたから韓国。戦ううちにどうやらそうではないということに気づいていくのですが・・。選手だけではなくてファンやメディアも含めて世界の野球に対する正確な距離感を把握して、みんなで共有していくことは侍ジャパンが国際大会で戦っていく上で必要なことなんじゃないでしょうか。その意味でも、この試合は重要な一戦じゃないかなーと思います。

今回の名鑑はオランダ代表の選手については僕が日本で一番オランダの野球に詳しいと思ってる人に頼んで手伝ってもらいました。

僕も彼も書きたいことが多すぎて、名鑑に必要なコンパクトさや分かりやすさみたいなものには欠けているかもしれませんが、情報量としてはこれ以上詰め込みようがないくらいのボリュームです。 この名鑑が侍ジャパンの試合を楽しむお供になればこれ以上のことはありません。

○ホセ・エスカローナ リミニ(イタリア) 左左 投手 29歳

イタリア球界にはダーウィン・クビアン(元阪神、現サンマリノ)やオスカー・サラサー(元横浜、現リミニ)、エンリケ・ゴンザレス(元西武、現パドーバ)、今年からサンマリノに加入するロムロ・サンチェス(元楽天)らに代表されるようにベネズエラの選手が多い。彼もベネズエラ出身選手の一人であり、マリナーズ傘下(主に1A)を経て2010年からイタリアでプレー。2011年にリーグの行ったドーピング検査で陽性となり、2年間の出場停止処分を受ける。処分が明けた2014年から再びイタリア球界に復帰している。現在はイタリア国籍を取得し、昨年の欧州選手権ではイタリア代表に選出。イタリアの上位クラブになると外国人枠にはメジャーやAAAクラスの経験と主砲やエース級の役割が求められてしまうが、彼はもちろん外国人枠の対象外。昨年は左のリリーフとして地味に活躍した。腕が比較的横から出てくるので左打者に強いタイプと言えそうだが、四球が多いのがネック。オフはニカラグアでプレーしてたらしいので準備万端だと思われる。

○ヤン・ニクラス・ストッケリン マインツ(ドイツ) 右右 投手 24歳

世代交代を進めるドイツ代表の次世代のエース。190センチの長身から繰り出される速球は最速145キロ超を計測し、昨年もブンデスリーガで98イニング136奪三振という数字を記録。元々スピードがあり期待の大きい若手投手だったが、過去2シーズンは防御率が3点台の後半。しかし昨シーズンは1.47と一皮向けたような安定感を見せた。 例年イニング数の半分以上与えていたフォアボールが去年は26個(98イニング)と、制球が安定したことが大きいようだ。昨年の欧州選手権ではライバルであるチェコ戦の先発を任せられ、かつ7回2失点無四球と期待に応えたところに、成長が伺える。 ただ、ドイツの「パワーピッチャー」は国際レベルだと球速的にも打ち頃な単調なピッチングになってしまうことが多いので注意が必要。

○オーウェン・オーザニック ルーアン(フランス) 右右 投手 25歳

欧州の上位グループの中では投手力に不安があるフランスにおいて、数少ない国際レベルの投手でありフランス代表のエース。フランス生まれアメリカ育ちで、オーストラリアプロ野球でのプレー経験を持つインターナショナルな経歴を持つ。田中将大がシーズン24勝0敗という大記録を打ち立てた裏で、2シーズンにまたがって20勝0敗という成績をフランスリーグで残している。130キロ後半のまっすぐにカーブやチェンジアップを混ぜるオーソドックスなスタイルで制球もよい。昨年の欧州選手権では格上のドイツ撃破に繋がる好投を見せた。WBC日本戦で打ち込まれたコルデマンスに似ているのはちょっと気がかりだが、フランス代表監督エリック・ガニエ仕込みの投球で世界に通用することを証明したい。

○ルーク・ソマー ハイデンハイム(ドイツ)投手・外野手 左左 29歳

ドイツ球界の二刀流。アメリカ育ち。 元々マイナー時代は外野手としてプロのキャリアをスタートさせるも、その後は投手に専念。 2010年には3Aにまで到達した。リリース後は米独立やオランダ、マイナー復帰を経て現在はドイツのブンデスリーガでプレーしている。ドイツ球界復帰後に再び野手としても本格的にプレーを再開し.362(リーグ8位)、5本塁打(同5位)と高い次元で投打を両立している。一方、本職ではサイドハンドではないものの腕が横振りで、特に左打者からすれば嫌な角度から腕が出てくる。140キロ近いまっすぐにスライダーを組み合わせた投球スタイル。

○レスリー・ネイカー テネリフェ(スペイン) 投手 右右 31歳

ベネズエラ出身。3シーズンルーキーリーグでプレーした後9年前からスペインリーグの強豪テネリフェで活躍しているスペイン代表投手。 WBCでもスペイン代表に選出されている。昨年は14勝0敗、防御率0.81、100イニングで130三振と向かうところ国内に敵なし。 130キロ中盤から後半のツーシーム系のまっすぐ中心に、ゆるいカーブとカット気味のスライダーを織り交ぜる投球スタイル。 日本が前回のWBCでも苦戦したタイプなだけにハマれば面白そうだが、今回の使用球はメジャー球ではないのでツーシームの威力は半減するかも。

○アレッサンドロ・マエストリ オリックス(日本) 投手 右右 29歳

イタリア野球史上最高の投手。元々シカゴ・カブスの傘下でプレーしていたが、2Aに上がるのが精一杯。 その後は米独立リーグやオーストラリア、母国イタリアリーグなどでのプレーを経て四国IL・香川で大ブレイク。シーズン中にオリックス移籍を果たした。日本では球威が増し、スライダーを改良しスプリットなどを覚えたことが飛躍に繋がった模様。13年のWBCでもエースとして母国を8強に導いた。

○ロビー・コルデマンス L&Dアムステルダムパイレーツ(オランダ) 投手 右右 40歳

オランダ球界のレジェンド。WBC3度、オリンピック4度出場と、輝かしい経歴を持つ。球速以上に威力のある真っ直ぐと、伝家の宝刀チェンジアップが特徴。2011ワールドカップ決勝ではキューバを八回途中まで2安打1失点で勝利投手。三振も取れる。チェンジアップは抜いた球と落ちる球の二種類を投げ分ける。日本の野球ファンには鳥谷に先頭打者ホームランを打たれたことで記憶されているかもしれないが、それ以降は投球スタイルを多少チェンジ。カーブを有効に使うようになった。ピッチングへの探究心は40歳を超えても大きくなるばかりだ。代表でもチームでも若手へ指導、ノックもこなす。球種はストレート(130前半)、カーブ、チェンジアップ。

○ディエゴマー・マークウェル ロッテルダムネプチューンズ(オランダ) 投手 左左 34歳

キュラソー出身のオランダ代表の左腕エース。この人も長年代表の主力として活躍している。前回のWBCで韓国戦やキューバ戦の勝利投手だったのも彼。準決勝のドミニカ戦でも中盤までしっかりと試合を作った。スリークォーター気味に投げ込み、スローカーブを効果的に使って打たせてとるスタイル。ロングリリーフもこなす使い勝手のいい投手である。彼の投球術の前には、侍ジャパンも手こずりそうだ。球種はストレート(130後半)、カーブ、スライダー、チェンジアップ。 球速的には日本からすれば脅威にはみえないかもしれないが、13年のWBC日本代表のコーチ陣は王建民よりやっかいな投手という認識だったらしい。

○ケフィン・ヘイステック L&Dアムステルダムパイレーツ(オランダ) 投手 右右 26歳 

オランダの次世代エース。2013年はホーフトクラッセで最優秀防御率、昨年は最多勝を獲得。2014の欧州選手権ではエース的な役回りでチームの優勝に貢献した。伝家の宝刀は落差の大きい縦のカーブ。2013WBCでは松田も三振にとった。ストレートは140前後だが、2014年のアメリカンリーグ新人王ホセ・アブレイユ(元キューバ代表、ホワイトソックス)を空振り三振にとったこともある。是非とも日本で見てみたい投手の1人。球種はストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップ。

○リック・ファンデンハルク 福岡ソフトバンクホークス(日本) 投手 右右 29歳

現段階でのオランダ、ひいてはヨーロッパ野球最高の投手。代表は2009年WBC以来になる。マーリンズなどMLBで活躍した後、昨年韓国プロ野球・三星ライオンズで最優秀防御率、最多奪三振を獲得した。今年からはNPB・福岡ソフトバンクホークスへ移籍。早くも「隠れエース」との異名をとっている。決め球はナックルカーブ。先発ながら常時150キロを超える真っ直ぐにスライダー、ナックルカーブ、チェンジアップが持ち球。

○シャーロン・マーティス 前統一ライオンズ(台湾) 投手 右右 27歳

若い頃から長年代表を経験してきたキュラソー出身右腕。WBC2回出場、MLBでも26試合登板した。昨年は台湾で28試合8勝7敗の成績を残した。2006WBCのパナマ戦では7回参考記録ながらノーヒットノーラン(コールドゲーム)を達成した。落ちるスライダーが武器。調子が悪いと球が真ん中に集まる制球難が欠点。球種はストレート、スライダー、チェンジアップ。

○ルーク・ファンミル 前東北楽天ゴールデンイーグルス(日本) 投手 右右 30歳

全世界の野球選手で最高身長の216cm右腕。昨年は楽天で7試合に登板した。角度あるストレートは威力万点で最速は150前半。高速のカッターも投げ込む。ウインイングショットは落差あるスプリットだ。日本では星野監督の指導の下、カーブも覚えた。コントロールは悪くないが、一旦四球を出してしまうと連発してしまう傾向にある。今季は未だ所属チームが決まっていない。本人は日本でのプレーを希望しているので、この2試合がまたとないアピールの場となる。

○トム・スタイフベルヘン コレンドン・キンハイム(オランダ) 投手 右右 26歳 

オランダの次期エース候補。18歳でミネソタツインズと契約し、オランダ代表でも20歳の頃からプレーした。兄も元オランダ代表の投手。2011ワールドカップでは最優秀防御率に輝き、大会を通じて無失点。1年前にトミージョン手術を受け、昨年1年間はリハビリに費やした。夏、ホーフトクラッセのプレーオフで復帰すると、9月の欧州野球選手権ではオランダの優勝に貢献。ムービング系のストレートは重さがあり、WBCではドミニカ共和国のオルティスからも三振を取った。落差の大きいスライダーがウイニングショットである。球種はストレート(最速140中盤)、スライダー、チェンジアップ。

○オーランド・インテマ ロッテルダムネプチューンズ(オランダ) 投手 右右 28歳

オランダ人の父を持つドミニカ出身の右腕。2010年のインターコンチネンタルカップから代表入り。2011年ワールドカップではキューバ戦に先発し、勝利投手にもなった。昨年はホーフトクラッセで最優秀防御率を受賞、チームの優勝に大きく貢献した。先発も中継ぎもできるパワーピッチャー。130キロ後半の真っ直ぐに縦のスライダーが持ち球。

○ブレイク・オチョア バレンシア(スペイン) 捕手 右右 29歳

ベネズエラ出身のWBCスペイン代表捕手。 7年間マーリンズやマリナーズ傘下のマイナーに在籍し、2012年からスペインリーグのバレンシアでプレーしている。国内組で構成されるスペイン代表では正捕手と言う立ち位置。リーグ2位の7本塁打を昨年は記録している。マイナー時代通算で盗塁阻止率33パーセントを記録した守備力にも注目したい。

○ジアニソン・ブークハウト ロッテルダムネプチューンズ(オランダ) 捕手 右左 25歳

現在のオランダリーグで最高の捕手。2009年にワシントンナショナルズと契約し、3年間アメリカでプレーしたが、2013年からオランダ国内リーグ・ホーフトクラッセへ。器用に外野もこなすことができる。昨年は4番としてチームを引っ張り優勝に貢献、代表でも4番を担うようになった。パワーはさることながら、広角に打ち分けられるバットコントロールも魅力。今回も正捕手だろう。

○ダシェンコ・リカルド コレンドン・キンハイム(オランダ) 捕手 右右 24歳

守備型キャッチャーで、2013WBCでの正捕手。WBCでは的確なリードでチームをベスト4に導いた。オリオールズやジャイアンツの傘下でプレーしたが、課題の打撃がふるわず解雇になり昨年からホーフトクラッセへ。ホーフトクラッセでも打率は上がらず.266だった。恵まれた体格から、当たれば鋭いライナー性の打球を飛ばす。守備では送球に少し難があるようだ。まだ、22歳の選手であり、打撃は伸びしろがある。今回は守備固めとして期待したい。

○アレッサンドロ・バリオ ボローニャ(イタリア) 内野手 右右 26歳

イタリアの山田哲人。2012年にブレイクしたイタリア球界を代表する強打の二塁手だが、昨年はシーズンを通じて数字が低迷。今シーズンは自身の価値を改めて証明するシーズンと言えそう。13WBCにも経験を積ます意味でちょこっと出場している。セカンドとしては大柄で動きの固さや守備範囲には若干不安があるものの、守備範囲内の打球はきっちり捌く。GG佐藤(元西武、ロッテ)、後述のインファンテ、バリオで2012年はボローニャのセンターラインを形成していた。

○フアン・カルロス・インファンテ ボローニャ(イタリア) 内野手 右両 33歳

ベネズエラ出身だが、長年イタリア代表のショートストップとして活躍する33歳のベテラン遊撃手。13年WBC代表。スイッチヒッターとして高打率を残す確実性の高いバッティング、盗塁王も獲得した脚力、軽快な守備と走攻守に貢献度の高い選手だが、14年シーズンは打撃成績が低迷し年齢による衰えが見え始めているのが難点。2018年までボローニャと契約が残っているが、MLBでよくある長期契約が不良債権化するケースの欧州バージョンになる可能性も。守備は「軽快」の快がとれて「軽い」ときもある。WBCでは試合中にツイッターを投稿していた模様。

○オスカー・アングロ バルセロナ(スペイン) 内野手 右右 31歳

ベネズエラ出身のスペイン代表内野手。主要なリーグでのキャリアは11年前のルーキーリーグで過ごした1年だけであり、7年前からスペインに流れ着く。数年前からスペインでは際立った成績を残していたが、あまり大きな舞台には縁がなかった。昨年はキャリアハイの成績。下位のチームから稼ぎやすいということを含めて考えても2位に9分の差をつけて.550(129-71)で2年連続の首位打者というのは圧巻の数字(長年チェックしてきたけど5割打者は記憶にない)。32試合で16盗塁を記録した脚力、遊撃手として記録した守備率.962という数字も欧州レベルでは悪くない。全方面でチームに貢献できるベテラン。

○マイケル・デュルスマ L&Dアムステルダムパイレーツ(オランダ) 内野手 右右 36歳

長年代表を支えてきたオランダの守備職人でキャプテン。WBC三回、オリンピックも2度経験した。守備力はオランダ国内で突出しており、カリブ領の選手のような派手さはないが非常にエラーの少ない選手。肩も強く、三遊間の深いところからも正確な送球ができる。打撃も以前は力不足であったが、近年は毎年三割を超えており、2012年のハーレムベースボールウィークでは首位打者を獲得した。現在はチームリーダーとして本土、アンティル人の結束をまとめている。

○クルト・スミス 前セントルイスカージナルス傘下 右右 内野手 28歳

広角に打ち分ける中距離ヒッターであり、オランダ代表の主軸。オランダが世界一になった2011年ワールドカップでは3本塁打を放ち、打点王とMVPを獲得。リーチが長くボールを拾って本塁打にするパワーを持ち、大事な場面で打点を稼ぐ勝負強さが特徴である。2013WBCでも5番、6番に座りクリーンナップが残したランナーをしっかりとホームへ帰していた。日本で見たい選手の一人。

○ユレンデル・デカスター ギガンテス(ニカラグア) 右右 内野手・外野手 35歳

まだまだ元気なキュラソー出身のベテラン選手。2009WBCではサードで美技を連発し、日本のファンをも驚かせた。元々はダイナミックな守備と鉄砲肩が武器だったが、年を重ねた現在は外野も器用にこなす。バッティングでもパンチ力を秘めており、2009WBCではクリーンナップを打ち、ドミニカ共和国戦でサヨナラ打を放ったのもこの人。ニカラグアウィンターリーグでは打点王を獲得し、老け込む様子は見られない。使い勝手のいい万能選手だ。

○ステファノ・デシモニ リミニ(イタリア) 外野手 左左 26歳 

13WBCイタリア代表。左の俊足巧打の外野手。ここ数年堅実に打率を残し、選球眼にも優れるので出塁率も高い。 地元パルマの看板選手として長年プレーしていたが、より資金力で勝るリミニへの移籍を昨年末に決断。 守備力は映像では未確認だが、外野守備のレベルが高くないイタリアリーグの中では評価されており、昨年はリーグのゴールドグラブ賞を受賞している。

○マリオ・キアリーニ サンマリノ(イタリア) 外野手 右右 34歳

イタリア野球のアイコンといっていい外野手。アテネ五輪やWBC2大会連続出場などを果たしており、13年のWBCではライトのレギュラーとしてチームを史上初のベスト8に導いた。マリナーズ傘下でのプレー経験もあるが、基本的にイタリアリーグ一筋。確実性とパンチ力を持ち合わせた強打の外野手としてリミニで17年間デビューから活躍していたが、今季からサンマリノに移籍する。守備面ではWBCでもファインプレーを見せていた一方、スローイングにはかなり難があり穴になってしまうことも。アテネ五輪では上原浩治と初戦で対戦。昨年から数字を大きく落としているのが気になるところ。

○フェルナンド・マルティネス 外野手 右左 26歳

かつてはプロスペクト(有望株)ランキングの上位に位置づけられていたドミニカ出身の元メジャーリーガー。 メジャー通算99試合出場。通算9本塁打。 昨年のヨーロッパ選手権にスペイン代表として選出され、.393、2本塁打と格の違いを見せ付ける。 いわゆるバイオジェネシス・スキャンダルによって出場停止処分を食らった選手の一人。

○カリアン・サムス ロッテルダムネプチューンズ(オランダ) 右右 28歳

オランダ行政の中心デンハーグ出身のスラッガー。ワールドカップのキューバ戦でのホームラン、欧州選手権でのサイクルヒットなど印象に残るパフォーマンスをする男だ。シアトル・マリナーズ、サンディエゴ・パドレス、テキサス・レンジャーズの傘下などでのプレーを経て昨年は台湾のポップコーンリーグ(独立と社会人野球の中間のようなリーグ)に在籍した。オランダシリーズ限定でネプチューンズでもプレーし、優勝に貢献。欧州選手権では5番に座り、決勝のイタリア戦でも2本塁打した。ツボにはまった時のパンチ力は素晴らしく、もの凄い飛距離を出す。足も速いが、守備では後方の打球に対するアプローチに難がある。今回も主砲として期待したい。日本の投手の変化球にどこまで対応できるかが鍵になるだろう。

○アンドリュー・ジョーンズ 前東北楽天ゴールデンイーグルス(日本) 右右 37歳

言わずと知れた、かつてのメジャー二冠王でありゴールデングラブ賞常連のスタープレーヤー。オランダ、キュラソーの野球少年らの英雄であり、現在メジャーリーグで活躍するキュラソー出身のメジャーリーガーは全て彼に影響を受けて野球を始めたといっていい。楽天でも4番として球団初優勝に貢献し、日本でもも馴染みのある選手だ。足や肩は衰えていても、パワーと選球眼は健在。指名打者としてヨーロッパ打線の中核を担う。彼も去就が決まっておらず、日本でのプレーを希望するならば、またとないチャンスである

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