2015年02月23日
「咲-Saki-」第139局[窮鼠]の闘牌についての補足解説
「咲-Saki-」第139局[窮鼠]のレビューについて、こんなコメントをいただきました。
私はこのレビューを書くにあたって、最新話ではドラ表示牌を見た記憶が無かったけどいちおう確認のために前号を見返してたので、「え?うそ〜ん?」と思ったのですよ。
やっぱり、ドラ表示牌に六萬が描かれているのと、「中が対子でドラ3つ」というセリフがありました。ドラは中ではありません。うん、私は間違っていなかった。よかったよかった。
でも、これで「はい、私は間違ってませんでしたー、おしまーい」となるだけではつまらないし、ここをちょっとだけ掘り下げてしっかりと分析・解説しますね。ほら、私「咲-Saki-最強考察」っていう咲-Saki-の闘牌を麻雀があまり詳しくない人にも解説する同人誌を出してますしね。
3. Posted by お見せしよう、王者のコメントを! 2015年02月21日 10:27
中がドラのインスタント満貫じゃなかったっけ?
5. Posted by お見せしよう、王者のコメントを! 2015年02月22日 13:36
中がドラで赤5ピンあるので中ドラ4の満貫確定ですよ
私はこのレビューを書くにあたって、最新話ではドラ表示牌を見た記憶が無かったけどいちおう確認のために前号を見返してたので、「え?うそ〜ん?」と思ったのですよ。
やっぱり、ドラ表示牌に六萬が描かれているのと、「中が対子でドラ3つ」というセリフがありました。ドラは中ではありません。うん、私は間違っていなかった。よかったよかった。
でも、これで「はい、私は間違ってませんでしたー、おしまーい」となるだけではつまらないし、ここをちょっとだけ掘り下げてしっかりと分析・解説しますね。ほら、私「咲-Saki-最強考察」っていう咲-Saki-の闘牌を麻雀があまり詳しくない人にも解説する同人誌を出してますしね。
コメントをくれた人が中がドラと勘違いしてしまった原因として2つの要因が考えられます。いや、私はその人じゃないから分かりませんけど、「これが理由じゃないかなー」っていう推測の話ね。
1.真屋由暉子さんの「インスタントマンガン」というセリフ
上の画像にあるように、真屋由暉子さんが自分の手牌に対して「インスタントマンガン」という言葉を使っています。牌姿とドラ表示牌の描写自体ではなくこちらのセリフの方を印象的に覚えていたまま2週間後に最新話を読んだら、中がドラだと勘違いしてしまう可能性があります。なぜなら、一般的には「インスタントマンガン」という言葉は、「役牌自体がドラの時にそれを刻子にして和了形を作ること」に対して用いるからです。
なぜ役牌自体がドラの場合以外は「インスタントマンガン」とは言わないかというと、手の中に役牌対子の他にドラが3つあったとしてもそのドラが全て手牌の中で形が定まっていないこともあるから、ってのもあると思うんですよね。役牌それ自体がドラだったら、ポンした瞬間に満貫が確定します。まさにインスタントです。
ポンドラ
でも、中以外がドラだと、「中を鳴いただけ」ではまだ満貫は確定しておらず、インスタント感がちょっと足りないのではないのかな、と。真屋由暉子さんの手牌の場合も、七萬の周りに六萬八萬と引いてそれ以上伸びないと、中ぶくれ単騎に受けるよりは…と七萬を外してこんな形になることも充分にあり得るのです。
ポンドラ
ただ、これはあくまで私が思う「一般的に」という話であって、全世界の全麻雀人口にあまねく通用する話ではありません。なので、明確な間違いだ!とまでは言い切りません。ただ、私はリアルだったりネットだったり出版だったりとそれなりには麻雀をとりまく界隈には詳しい方だろうと自負していますし、私が思う「一般的な」麻雀用語の使い方がそこまで大きく世間一般から乖離しているとは思いません。私がもし編集者の立場だったら、余計な誤解を与えることの無いように別の言い方にしてもらいますね。それくらい、少なくとも私の中では「インスタントマンガン」という言葉の使い方として違和感を覚えるものでした。もしも「インスタントマンガン」という言葉について私と同じような認識を抱いていてそっちをよく覚えていたら、最新話を読んだ時に「前号でたしかインスタントマンガンって言ってたから中がドラだったかな」と思ってもそれはやむを得ないことだと思います。
2.最新話ではドラ表示牌が描写されていない
さっきも言ったけど、最新話にはドラ表示牌が描写されていません。そのため、ドラが何かは前号のヤングガンガンに頼ることになってしまいます。最新話で何コマか「惜しい」コマはあるんですけど、
のどっちの手が邪魔!w
こっちでも絶妙に邪魔してる!w
麻雀漫画において、さりげなくドラ表示牌を描写することは地味に大事なんですね。単行本で読んだ時には前回と続いてるからたぶん気にならないのでしょうけど、麻雀漫画として1話単位で見た場合に、今回のように「読者に正確な闘牌が伝わらない」可能性が出てくるため、最善の方法ではなかったとは思います。ドラ表示牌をどこかでチラッとでも描写することが漫画全体を見た時にそれほどマイナスになるとは思えないですし。
この話は、私がずっと前から言ってて、最近はもう改善されたおかげで途中から読んでも試合展開を理解できやすくなった、「野球漫画の『おおきく振りかぶって』は、スコアボードを画面に映せよ」問題にも通じるものがあるかな、と思いました。あの漫画、昔は頑なにスコアボードを映さなかったせいで、途中から読んだ時に試合が今どんな状況なのか分からなくてイヤだったんですよ。最近はしっかりとスコアボードを描写するようになったから、久しぶりに途中の巻から単行本を読んでもどこを相手にした試合の何回の何対何かがすぐ分かるようになってだいぶ読みやすくなったと思っています。そういや昔は、「打球が飛んだ方向」も分かりづらかったんだよなーw
そんなわけで話が少し逸れましたが、麻雀漫画において一局が複数話にまたぐ時は、毎回どこかでチラッとでもドラ表示牌を描写した方が、読者に正しい闘牌が伝わりやすいのではないでしょうか。漫画家の方は連載形式の麻雀漫画を描く時にご参照ください(そんな人、日本に数えるほどしか居ないでしょうがw)
いかがでしたでしょうか? こんな感じの闘牌解説が書いてあったりなかったりする同人誌「咲-Saki-最強考察」シリーズ、COMIC ZINさんととらのあなさんで通信販売受付中です!(露骨な宣伝)
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1.真屋由暉子さんの「インスタントマンガン」というセリフ
上の画像にあるように、真屋由暉子さんが自分の手牌に対して「インスタントマンガン」という言葉を使っています。牌姿とドラ表示牌の描写自体ではなくこちらのセリフの方を印象的に覚えていたまま2週間後に最新話を読んだら、中がドラだと勘違いしてしまう可能性があります。なぜなら、一般的には「インスタントマンガン」という言葉は、「役牌自体がドラの時にそれを刻子にして和了形を作ること」に対して用いるからです。
なぜ役牌自体がドラの場合以外は「インスタントマンガン」とは言わないかというと、手の中に役牌対子の他にドラが3つあったとしてもそのドラが全て手牌の中で形が定まっていないこともあるから、ってのもあると思うんですよね。役牌それ自体がドラだったら、ポンした瞬間に満貫が確定します。まさにインスタントです。
ポンドラ
でも、中以外がドラだと、「中を鳴いただけ」ではまだ満貫は確定しておらず、インスタント感がちょっと足りないのではないのかな、と。真屋由暉子さんの手牌の場合も、七萬の周りに六萬八萬と引いてそれ以上伸びないと、中ぶくれ単騎に受けるよりは…と七萬を外してこんな形になることも充分にあり得るのです。
ポンドラ
ただ、これはあくまで私が思う「一般的に」という話であって、全世界の全麻雀人口にあまねく通用する話ではありません。なので、明確な間違いだ!とまでは言い切りません。ただ、私はリアルだったりネットだったり出版だったりとそれなりには麻雀をとりまく界隈には詳しい方だろうと自負していますし、私が思う「一般的な」麻雀用語の使い方がそこまで大きく世間一般から乖離しているとは思いません。私がもし編集者の立場だったら、余計な誤解を与えることの無いように別の言い方にしてもらいますね。それくらい、少なくとも私の中では「インスタントマンガン」という言葉の使い方として違和感を覚えるものでした。もしも「インスタントマンガン」という言葉について私と同じような認識を抱いていてそっちをよく覚えていたら、最新話を読んだ時に「前号でたしかインスタントマンガンって言ってたから中がドラだったかな」と思ってもそれはやむを得ないことだと思います。
2.最新話ではドラ表示牌が描写されていない
さっきも言ったけど、最新話にはドラ表示牌が描写されていません。そのため、ドラが何かは前号のヤングガンガンに頼ることになってしまいます。最新話で何コマか「惜しい」コマはあるんですけど、
のどっちの手が邪魔!w
こっちでも絶妙に邪魔してる!w
麻雀漫画において、さりげなくドラ表示牌を描写することは地味に大事なんですね。単行本で読んだ時には前回と続いてるからたぶん気にならないのでしょうけど、麻雀漫画として1話単位で見た場合に、今回のように「読者に正確な闘牌が伝わらない」可能性が出てくるため、最善の方法ではなかったとは思います。ドラ表示牌をどこかでチラッとでも描写することが漫画全体を見た時にそれほどマイナスになるとは思えないですし。
この話は、私がずっと前から言ってて、最近はもう改善されたおかげで途中から読んでも試合展開を理解できやすくなった、「野球漫画の『おおきく振りかぶって』は、スコアボードを画面に映せよ」問題にも通じるものがあるかな、と思いました。あの漫画、昔は頑なにスコアボードを映さなかったせいで、途中から読んだ時に試合が今どんな状況なのか分からなくてイヤだったんですよ。最近はしっかりとスコアボードを描写するようになったから、久しぶりに途中の巻から単行本を読んでもどこを相手にした試合の何回の何対何かがすぐ分かるようになってだいぶ読みやすくなったと思っています。そういや昔は、「打球が飛んだ方向」も分かりづらかったんだよなーw
そんなわけで話が少し逸れましたが、麻雀漫画において一局が複数話にまたぐ時は、毎回どこかでチラッとでもドラ表示牌を描写した方が、読者に正しい闘牌が伝わりやすいのではないでしょうか。漫画家の方は連載形式の麻雀漫画を描く時にご参照ください(そんな人、日本に数えるほどしか居ないでしょうがw)
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小林 立
スクウェア・エニックス
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この記事へのコメント
1. Posted by お見せしよう、王者のコメントを! 2015年02月23日 06:16
どこの誰のセリフか忘れましたけど「役牌バック」という言葉の使い方も少しだけ物議を醸した記憶が。
インスタントマンガンはドラポン全般って認識かな。
インスタントマンガンはドラポン全般って認識かな。
2. Posted by お見せしよう、王者のコメントを! 2015年02月23日 07:42
のどぱいも柔らかくて大きいなぁ〜
3. Posted by お見せしよう、王者のコメントを! 2015年02月23日 15:02
なるほど。前号に描写ありましたね。
立先生は読者に、由暉子の和了形と申告点数などから逆算→ドラを推定、させたいのか?麻雀漫画ってそういうもんなのかな的に読み飛ばしてました。
いつも厳密な考察すごいです。少しでも見習いたいです。
立先生は読者に、由暉子の和了形と申告点数などから逆算→ドラを推定、させたいのか?麻雀漫画ってそういうもんなのかな的に読み飛ばしてました。
いつも厳密な考察すごいです。少しでも見習いたいです。