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令状なし逮捕で賠償命令=都に40万円、現行犯認めず―東京地裁

時事通信 2月23日(月)20時32分配信

 駅でけんかをし、任意同行に応じて警察署に行ったのに、警察官が現場で現行犯逮捕したことにして逮捕状のないまま取り調べを行ったとして、20代男性=静岡県沼津市=が、東京都に約270万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、東京地裁であった。村上正敏裁判長は、違法な逮捕手続きと認めて都に40万円の支払いを命じた。
 村上裁判長は、警察署に向かうパトカー内で男性は身柄拘束をされておらず、凶器などの身体検査もなかったことから現行犯逮捕ではなかったと指摘。「令状なく逮捕したことは違法。現行犯となるよう書類に事実と異なる記載をしており、看過できない」と述べた。
 判決などによると、男性は2010年10月3日未明、JR国分寺駅のコンコースで男2人とけんかになった。男性が駆け付けた警察官の求めに応じて警視庁小金井署に行くと、約3時間後に取調室で、既に傷害容疑の現行犯で逮捕されていると告げられた。
 男性は送検後の同月12日に釈放され、最終的に起訴猶予処分となった。
 警視庁の清水和俊訟務課長の話 主張が認められず残念。判決内容を検討し、対応を決める。 

最終更新:2月23日(月)21時48分

時事通信