事故
23 11月 2014, Posted by in 事故看板事故のお悩み
【ご質問】
道を歩いていたらお店の看板が落ちてきて頭に当たりました。たんこぶが出来て痛みがあるので病院に行こうと思います。お店側に責任があると思うのですが、何を請求できますか?
(27歳 会社員)
【弁護士からのアドバイス】
看板が道に落下してくるということは、看板の設置または管理に過失があったといえるので、その看板を管理占有しているお店に損害賠償を請求することができます。。あなたは、たんこぶの治療費、入院費、治療に通った交通費、治療のために仕事を休んだのであればその分の休業損害、たんこぶのけがによって被った精神的損害としての慰謝料の請求が可能です。
また、けがが重篤で、後遺症が残るような場合には、後遺症に程度に従って、労働能力の低下による遺失利益、後遺症に対する慰謝料も請求可能となる場合があります。
医療事故のお悩み
【ご質問】
28歳の女性です。豊胸の手術を受けたいと思っています。医師からは、時間もかからないし、簡単な手術だという説明を受けただけですが、もし失敗したときにはどのような危険があるのかよくわかりません。どのような失敗例があるのか教えて下さい。
【弁護士からのアドバイス】
失敗例には大きく分けて2つあります。
- 皮膜拘縮
これは、挿入されたシリコンバッグの回りに皮膜が形成され、皮膜が増強してバッグを回りから締めつけるためボール状に変形することです。
術後の皮膜形成を予防するために、豊胸術の直後からマッサージ等を行います。また、皮膜形成が生じたときは、乳部全体を握ったり挟んだりして皮膜を破る、乳房に切開を入れて
皮膜の一部を切開する、時には挿入したバッグを取り出すなどします。
これらの際に、シリコンバッグが破損したり、内部の食塩水やシリコンゲルが漏れ出すことがあります。
- 手術の失敗
シリコンバッグの位置は、挿入されたポケットの位置で決まるのですが、その位置が左右非対称になったり、不自然に高くなったり低すぎたり、時には乳房の上下にシリコンバッグの輪郭がはみ出すことがあります。シリコンバッグの位置を誤った場合は、再手術することにより位置を修正します。
その他の失敗としては、シリコンバッグを挿入する際に乳管や乳線を損傷した、乳頭が切開線の瘢痕化によって陥没したなどがあり、また、大胸筋を剥離して肋骨との間にシリコンバッグを挿入する方法を用いる場合は、大胸筋の剥離中に誤って大きな血管を損傷したり血腫をつくったなどがあります。
- 感染症
シリコンバッグの挿入痕に感染を起こす、さらにそれにより乳房が変形するなどです。
以上、豊胸手術の失敗例を見てきましたが、特にシリコンバッグの位置の不適合や皮膜形成はかなりの確率で生じます。術前に担当医師から十分に危険性の内容の説明を受けて下さい。また、バッグを摘出したり、再手術を行う場合の費用についても十分説明を受けていくべきです。どのような説明を受けたかはトラブルになったとき大きな意味をもってきます。
参考文献 Q&A 美容・エステ110番p182、177
責任追及の手続のお悩み
【ご質問】
29歳の女性です。豊胸手術を受けましたが、胸が左右対称になっていません。担当の先生にその旨言ったところ、最初は「手術は成功しているから問題ない」と言って取り合おうとしませんでしたが、結局、再手術することになりました。その費用はどうなるのですか?また、仮に再手術をしてもうまくいかないような場合、医者や病院に責任を追及できますか?
【弁護士からのアドバイス】
一般の医療事故と違って、美容整形の場合は、医学的にみて問題がなくても患者が不満を抱く場合は問題がないとはいえません。ただ、患者の要求を際限なく満たすのも無理があります。そこで、医師には「要求把握義務」と「説明義務」があり、これらを怠った場合には、医学的に問題がなくても責任追及ができるとされています。
(1)要求把握義務
美容整形の性質上。手術を受ける人の主観的な希望が最優先されるべきであり、医師にはその希望を適切に把握しておく義務があります。もちろん、医療技術にも限界がありますから、あなたの希望がすべてかなえられるわけではありません。
そこで、医師としては、あなたの要求が実現可能なものであるかを判断するためにも、あなたの要求するところを的確に把握しなければなりません。あなたの要求が実現可能なものであれば、その要求を的確に把握したうえで手術を行うべきですし、あなたの要求が実現不可能なものであれば、そのことをあなたに告知して手術を断ることになります。
(2)説明義務
あなたが手術を受けるに際しては、手術によりどのような結果が得られるのか、また、その手術の成功する可能性や程度といったことを理解し、納得したうえで手術を受けなければなりません。そのためには、医師には、あなたが手術を受けるかどうかを決めるために必要な情報を提供する義務があります。
豊胸手術については、手術結果に不満を抱かれる方が比較的多いといえます。一見して手術が失敗したといえるかが微妙なこともありますので、あなたが手術を受けるにあたって、どのような要求を伝えていたのか、それに対して医師がどのような説明を行っていたのかが非常に重要になります。したがって、医師とのやりとりを再現できるよう、メモを残すなどしておくことが大切です。
胸が左右対称になっていないということですが、あなたがどのような状態を望んだのか、
医師がどのようなリスクを説明したのかによって結果が変わってきます。
医師の責任を追及する方法としては、示談交渉、調停申立て、訴訟提起などがありますが、あなたが受けた施術の内容がどのようなものだったか、施術前に受けた説明はどのようなものだったのか、それらが正確に記録されているかを確認し、後日紛争となったときの証拠とするために、証拠保全という手続をとる場合があります。
証拠保全や調停申立て、訴訟提起は、裁判所への申立てが必要ですので、専門家である弁護士に相談するといいでしょう。
参考文献 Q&A 美容・エステ110番p206
交通事故のお悩み
【ご質問】
運転中に後ろの車にぶつけられました。幸い大きなけがには至らなかったのですが、夫がその過失割合はおかしいから何とかしてもらえと言われました。そもそも過失割合とはどのようにして決まるのですか?それが不満な場合はどうしたらよいのでしょう。(33歳 主婦)
【弁護士からのアドバイス】
まず、過失割合とは、事故の加害者と被害者の間で、どちらがより不注意だったかを、数字で表したものです。事故によって発生した損害(怪我の治療費、車の修理費等)は、加害者だけが負担するのではなく、被害者も、自分の不注意の程度に応じて、つまり、過失割合に応じて負担することになります。あなたの夫と相手の過失割合が10対90の場合、あなたの夫が治療費、修理費で100万円の損害を受けたとしても、相手に請求できる金額は、90万円ということになります。
次に、過失割合は、今までの交通事故に関する裁判でどのように判断されたのか、事例が蓄積されており、事故現場や事故状況の場合ごとに、細かく基準が決まっています。どの基準に該当するかについて、被害者と加害者の間で争いになりますが、裁判になる前の示談交渉の段階では、加害者、被害者それぞれが、自分の考える過失割合を主張し、話合いがまとまれば、そこで過失割合は決まります。一方、話し合いでまとまらなければ、訴訟で争うことになり、最終的には裁判所が過失割合を決定します。
このように決して保険会社が決めるものではないので、注意してください。