認知症の予防には社会参加が重要であるようだ。
愛知県星城大学を含む研究グループが、オープンアクセスの科学誌プロスワン(PLoS One)の2015年2月号で報告した。
介護予防のプロジェクトで検証
愛知県武豊町で行われている介護予防のためのプロジェクトで得られたデータを分析した。
研究グループは2007~11年、介護の必要のない高齢者366人を対象として、認知機能に影響を及ぼす要素の因果関係を調べた。平均年齢は約74歳、男性51人、女性315人となっている。
プロジェクト参加者は、認知機能や体力を検査していた。さらにアンケートでも、毎日の歩行時間や社会活動などを毎年聞いた。
それぞれの結果から、4要素に分けて総合スコアを計算した。4要素とは、「精神的機能」「社会的機能」「生活機能」「身体/認知機能」。
「構造方程式モデリング」という方法を含むさまざまな分析方法を駆使して関連性を解析した。
4要素改善で社会参加が活発に
結果として、4要素が向上すると「社会参加」が活発になっていた。さらに逆に、社会参加が活発であると、結果的に認知機能に作用していくと判明した。
研究グループは、「認知機能の改善には、社会参加が活発になることが必要」と指摘する。
言えば当たり前ではないかとも思えるが、実践は容易ではない。意識的に社会参加していくことはやはり大切だという結果だろう。
文献情報
Kimura D et al.Analysis of causal relationships by structural equation modeling to determine the factors influencing cognitive function in elderly people in Japan.PLoS One.2015 Feb;10:e0117554.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25658829
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